Martin SC-10E/SC-13E 〜Sシェイプ&カッタウェイボディが生む革新的なプレイアビリティ〜

こんにちは。G-CLUB SHIBUYAの渡邉(わたなべ)と矢嶋(やじま)です。
前回、渋谷店が公開した「パラフィン漬けサドル」の記事は既にご覧いただけたでしょうか?
沼の深い内容となっておりますので、まだの方は是非ご覧ください!

さて、今回のテーマはMartinが生み出したアコースティックギターを正統進化させた大注目すべきモデル。革新的フラットトップのSC-10E・SC-13Eのご紹介です。

非対称の特徴的なボディシェイプ、サウンドホールから除くXブレーシングなどこれまでに見たことのないスペックで業界を震撼させたSCシェイプ。
ルックスの斬新さとは裏腹に、実際に触ってから理解できる納得の構造をしていることがギターから伝わってきます。

発表からまだ年数も浅く、これから歴史を刻み始めるシリーズですが、今後間違いなく幅広い層の皆様に愛されていくだろうと確信を持つことのできるMartin社の力作です。

特徴的なボディシェイプ

SCの最大の特徴は何といっても非対称にデザインされたS字のボディシェイプです。
初見は「?」マークが頭に浮かぶことかと思いますが、持ってみるとちゃんと理にかなっていることが分かります。
まず、パっとみてボディの厚みが1番似ているMartin 000-28 Standardと比較すると、厚みが最大のところで000-28が約10cm、SCシリーズが約9.8cmとなっています。
抱えた時の印象は000サイズに似ているので、座って弾いた時も違和感を感じることなく演奏が出来ます。

また、Martinには珍しいカッタウェイと大胆に削り取られたヒール部もSCの魅力の1つ。
ハイポジションを多用する方はもちろん、エレキギターを弾く方でもフレットを縦横無尽に駆けることができます。

ネックジョイントのちょうど真裏がなだらかに削られており、ハイポジションを弾く際に掌の手首に近い部分がすっぽりと収まるのでストレスフリーな演奏が可能。

元々エレキギターしか弾いてこなかった中の人の矢嶋でも、Low Profile Velocityと名付けられた薄めのネックシェイプ・カッタウェイ・大胆なヒールが生み出す相乗効果で何も違和感を感じることなく乗り換えることができると感じたので、エレキギターユーザーの方々も是非お試しいただきたいです。

国内最速レポート! ~徹底解剖!Martin SC-10E Sapele~
今回のテーマは待望の登場を果たしたオール単板のSCシェイプについてです。 そのうちオール単板モデルがカタログ化されたりしないかなあ・・・と淡い期待を抱いていたころ、 ついにSCカタログモデルの第1弾としてオール単板モデルが発表されました。 前回の記事でSCというギターが如何に発展しているか熱弁させていただきましたので、 今回はオールサペリのこちらのモデルにのみ焦点を当ててご紹介したいと思います。

取り外し可能なネック “SureAlign system”

SCの特徴の1つとして、ネックの取り外しができる点が挙げられます。その名もSureAlign system。
先程の写真で何やらネジで止まってそうな箇所が2つありますが、ここに止められているボルトを2つ外すことでネックの着脱が可能になります。

実際に外してみるとこんな感じになります。・・・なんだか見慣れませんね。
でも、こう見えて物凄く画期的な構造なんです。

それでは、ジョイント部を拡大してみましょう。

ロゼッタの真上に黒い物体があるのですが、これがシムの役割を果たしています。
個体の状態(ボディの膨らみ、沈み込みなど)に合わせて、シムを交換することでネック角を調整することが可能になっています。

シムの着脱はカートリッジ式になっているので、好きな物を容易に交換することが出来ます。
別売りのSC専用リペアツールキットの中に計8種類のシムが用意されているので、場面に合わせた適切な状態にすることができます。

リペアツールキットには写真のシムだけではなく、調整するのに必要な専用トラスロッドレンチなども入っており、SCシェイプを弾き倒すには欠かせない内容になっています。
必ず用意しなければならない、とまではいきませんが、あったら困らない便利グッズです。

※ネックの着脱、シム交換等は専門のリペアマンまでご依頼ください。

そもそも、調整可能なアコースティックギターというコンセプト自体は大昔に既に生まれていました。
その名もシュタウファーモデル。Martinニューヨーク時代の名作モデルです。
ボルトによってネックを上下に動かすことができる当時の革新的な構造として話題であったモデルなのですが、お察しの通りにSCシェイプはその延長線上にあるモデルです。

1833年当時のコンセプトが今に生きているという架け橋のようなギターであり、Martinの考えるフラットトップの進化系の答えともいえるでしょう。
現にSCシェイプのヘッドには見慣れた「1833」の文字が書かれておらず、ロゴのみのデザインとなっています。こうした細かいデザインからもMartinが新しい挑戦をしていることが読み取れます。

Martinの大改革 “Tone Tension X Brace”

続いては、Martinの画期的な発明品であるXブレーシングをさらに進化させたTone Tension X Braceのご紹介です

通常、Martinにはトップ材裏のみにXブレーシングが施されますが、SCシェイプに限りバック材にもXブレーシングが貼られています。
XブレーシングはMartinが開発した画期的な大発明という周知の事実ですが、SCシェイプはさらに昇華されています。
具体的に説明すると、バックブレーシングの一部にスキャロップ加工を施しているのですが、少し特殊な削り方をしています。
1~3弦にあたる箇所にはスキャロップ加工を施し、4~6弦にあたる箇所には敢えて手を加えないという方法を取っており、加工された高音弦側はトップ材の振動が豊かになり良く響き、加工無しの低音弦側は引きしまった低音感が生まれています。

実際に弾いてみると、タイトな低音の中にキラッとしたMartinらしい艶やかさがしっかりとあり、多大なる恩恵が生まれていることがわかります。
特殊すぎるスペックが故に、最初の印象は「?」マークばかりが頭に浮かぶと思います。
ただ、ここまで弾けば弾くほど魅力に気づかされ、虜になるモデルは中々ないのではないでしょうか。

Fishman MX-Tピックアップ

SCシェイプのギターにはどれもピックアップが搭載されており、初めからエレアコとして使うことが出来ます。一部のモデルを除いてFishman MX-Tというピエゾピックアップが初期搭載されています。

人気のマトリックスシリーズがアップデートされたモデルであり、シンプルなピエゾピックアップかつ、視認性の高いチューナーも合わせて使うことができます!
まさに「この1本があれば大丈夫」と思えるようなハイスペックが詰め込められています。

しかしながら、エレアコをライブなどの場面で弾き倒すのであればD.I(ダイレクトボックス)もかかせません。

まずは王道のL.R.Baggs ParaAcoustic D.Iのご紹介。

どのライブハウスでも1つは置いているであろう定番の機種。見たことがあるという方も多いのではないのでしょうか。
機能面はシンプルに抑えつつ、余計な味付けを一切せずに基本的な機能をより洗練させた間違いの無いD.I。SCシェイプに限らず、他のMartinエレアコでも満足できるモデルです。
エレアコが本来持つサウンドを最大限伝達させるにはなくてはならない箱がD.Iであり、シンプルで使い勝手の良い物が良い!という方にはこちらがおすすめです。

でも、もっと多機能でオールインワンな物が欲しい・・・という方にはFishman Tone DEQなどはいかがでしょうか。

エレアコを弾く上で必要な機能を網羅したプリアンプペダルがこちらのモデルのコンセプト。
D.I out・3バンドのイコライザーはもちろん、ディレイ/リバーブ・コーラス/フランジャー/トレモロのエフェクトも内蔵。デジタルエフェクトに関してはパラレルでミックスされる為、音質が損なわれてしまう心配もないという優れものです。
また、サウンドをあともう1歩前に出したい・・・!というときに何かと便利なブースト機能も搭載。
コンプレッサーや位相反転機能まで搭載されているオールインワンシステム。

こういった多機能ペダルのあるあるですが、「色々エフェクトがあったりノブがたくさんあって難しそう・・・」というお悩みをよくご相談いただきます。
そう思われている方、ご安心ください。
たしかに、色々機能はありますが、どのセクションも直感的な操作ができるので想像以上に取り扱いは簡単です。
これなら、ライブでも簡単にこだわったサウンドメイクをすることが可能でしょう。

現在のラインナップ

それでは、現在展開されているモデルについて見ていきましょう。

まずは、最もスタンダードなSC-13E。トップスプルースにコア合板をサイド&バックに使用したモデルです。グロスフィニッシュときめ細かい杢目が見事に相乗効果を生み出し、何とも美しい1本に仕上げられています。

ヘッドプレートまで貼られているまだら模様のストライプドエボニーが個体それぞれに唯一無二のルックスを与えており、非常にそそられます。

このモデルをよりシンプルにしたモデルがSC-10Eというモデル。
基本的なスペックに変わりはありませんが、塗装がマットなサテンフィニッシュ、黒のチューニングペグ、バインディングやロゼッタがブラックバインディングに変更されていたりと「大人」な雰囲気を漂わせる仕様になっています。

細かな装飾を変えるだけでギターの表情は劇的に変わると改めて気づかされるモデルであり、グロスとサテンどちらも甲乙つけがたいと思わせてくれる1本です。

そんなSCシリーズの最上位機種に位置するのがSC-13E Special。読んで字の如く、「特別」な1本に仕上げられています。

まず違うのはサイド&バック材。通常、合板コア材が使われるところをこのモデルに限りジリコテの合板が使われています。
ご存じの方も多いように、ジリコテという木材は「うねり」が特徴であるトーンウッドの1つ。ストライプドエボニーが魅せる杢の揺れ具合と相まって、「Special」の名に恥じない圧巻のルックスを有しています。

特別仕様は細部にまで施されています。
肉抜きされたスケルトンペグボタン、指板上に見えるオリジナルのドットインレイなど機能面で重要視されるところまで特別な仕様になっています。

搭載されているピックアップも変更されており、L.R.Baggs Element VTCが初期搭載されています。
ナチュラルかつクリアに出音するキャラクターが特徴のピックアップであり、Martinエレアコとして上位機種であることに拍車をかけている重要なポイントです。



また、SCシェイプの中で唯一別のカラーリングが展開されているのはこのモデルだけで、Martinが如何に熱を込めているかが伝わってきます。

その名もSC-13E Special Burst
Martinギターの中でも数少ないカラーリングが施される珍しいモデルです。

たまにStandardシリーズで見られるアンバートーンカラーよりもほんの気持ちだけ色味が薄く、夕焼けのような鮮やかな色味が特徴です。エレキギターで時折見られるHoney Sunburstカラーのような色味が一番近いかもしれませんね。

SCシェイプモデルはRoad Seriesの中で唯一エボニー指板&ブリッジ仕様が採用されたりとMartinの中でも一段と特別視されているモデルです。
合板もただ張り付けるだけではなく、杢目同士が表裏で合うように位置が調整されており、中に仕込まれる木材もアフリカンマホガニーを使用したりと、一般的な合板とは一味違います。

そのうちUSA製SCもラインナップに乗ったりしないかなあ・・・と淡い期待を思うこの頃です。

余談ではありますが、過去に300本限定でCS-SC-2022というUSA製リミテッドモデルが出たこともあるので、可能性は0ではないかもしれませんね・・・。

※メキシコファクトリー製のSCシェイプはMA535T(カスタムライトゲージ)がMartin公式推奨弦とされています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

如何にMartinが挑戦し続けていることがお分かりいただけたかと思います。
登場してからまだ年数は浅いですが、将来的にスタンダードな物になっていくことでしょう。

今回ご紹介したSCの魅力はほんの一部。SC特有の明瞭なサウンドは実際に弾くと実感していただけるはずです。
初めてのアコースティックギターとしてはもちろん、エレキ出身の人が持つサブギターや初エレアコ、弾きやすいソロギターなどの様々な観点からおすすめできる優秀なモデルです。

まだ世の中に魅力が完全に浸透する前に是非当店にてお試しください!


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