MartinのD-28シリーズに新しい仲間!「D-28 Satin」と「D-28 StreetLegend」の特徴とは

現存するギターメーカーの中で最も長い歴史を持つマーティンを象徴する代表モデルであり、古くからアコースティックギターにおける永遠のスタンダードモデルとも評される”D-28”。
1931年の誕生から現在まで時代を超えて脈々と受け継がれる名器中の名器であり、移り変わる音楽シーンにおけるD-28の変遷こそがアコースティックギターの歴史そのものと言っても過言ではありません。

この度、そんなD-28のラインナップに”D-28 Satin””D-28 StreetLegend”の2モデルが新たに加わりました。

落ち着きのあるサテン・フィニッシュは見た目の雰囲気をガラッと変えるだけでなく音色にも大きく影響を与えており、新たなマーティンサウンドの幕開けを感じさせます。
今回は大きな注目を集めているこちらのニューモデルをご紹介させて頂きます!!

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「D-28 Satin」の紹介

2023年のSPRING NAMMにて発表された”D-28 Satin”は艶消し塗装で仕上げられたD-28のニューモデルとなっております。
永遠のスタンダードモデルとして不動の地位が確立されており、現在までに様々なバリエーションが発表されてきたD-28ですがサテン・フィニッシュを採用したモデルは今回が初となります。

フォーワードシフトのブレイシングや薄めのネックシェイプに加え、エイジングトナーのトップカラーやオープンバックペグと言った細部の仕様は2017年に大幅なリニューアルを果たした現行のD-28と同様になっており、高級感のある従来のグロス・フィニッシュと落ち着いた風合いのサテン・フィニッシュでよりお好みに合わせた選択が出来るようになりました。

「D-28 StreetLegend」の紹介

”D-28 StreetLegend”も前述したD-28 Satinと同時に発表されたニューモデルで一目見ただけで思わず目を奪われるヴィンテージギターを彷彿とさせる強烈なルックスが特徴です。
ファンの方であればご存じの方も多いかも知れませんがマーティンギターが製造されるナザレスの工場にはギタリスト垂涎のヴィンテージや歴代のリミテッドモデルがずらりと立ち並ぶ博物館が併設されております。

本器はそこに展示されているヴィンテージ・マーティンからインスピレーションを得たボディの色焼けや傷を高性能なインクジェットのプリント技術を用いて木目上に描くことで再現しております。
ペグやピックガードもボディの雰囲気に合わせて光沢を抑えたものが使用されており、圧倒的な風格を漂わせるその外観は到底新品のギターとは思えない存在感を放ちます。
こちらもD-28 Satinと同様に外観以外は現行のD-28を踏襲したスペックとなっており、好みのルックスをお選び頂く際の選択肢の一つとして多くの方にお勧めできるモデルとなっております。

D-28との違い

艶消し仕上げという新たな装いで発表された今回の2モデルですが従来のD-28とは異なるその魅力に迫って参ります。

魅力その①、木材の温かみを感じられる質感

やはり最も違いを感じる部分はルックス面で艶消しのボディフィニッシュに仕上げられていることでグロス・フィニッシュを採用した従来のD-28よりも落ち着きのある雰囲気となっております。
グロス・フィニッシュよりも塗膜が薄く仕上げられることで杢目の陰影が柔らかく感じられ、より木材ならではの温かみが感じられます。

マーティンのラインナップでは最上位グレードとなるオーセンティックシリーズのモデルもサテン・フィニッシュに雰囲気の近いセミグロス・フィニッシュを採用しており、今回の艶消しバージョンを待ち望んでいた方は多いのではないしょうか。

魅力その②、ダイナミックで抜けのよいサウンド!!

塗装の違いは外観の印象だけでなくサウンドキャラクターにも大きな影響を与えており、この違いこそが従来のD-28と新たな2モデルをお選び頂く際のポイントと言えるでしょう。
ギター好きの方であれば何十年もかけて弾き込まれたヴィンテージギターのサウンドが優れていることはご存じの方も多いかと思いますが木材の品質や細部の仕様の違いなど、音の違いに影響する部分は様々ですが塗膜の経年変化もその一端を担っていると言われております。

光沢のあるグロス・フィニッシュの塗膜は比較的厚みのある仕上がりとなりますがその塗膜は時間をかけて木材に染み込んでいき、より一体感が高まることでボディの鳴りも格段に良くなり、躍動感のあるサウンドを生み出すことにつながって参ります。

今回新たに発表された2モデルも塗膜の薄いサテン・フィニッシュを採用していることで成熟したヴィンテージギターを彷彿とする鳴りを堪能できます。
豪快な鳴りが持ち味のサテン・フィニッシュに対して従来のグロス・フィニッシュはより艶やかな余韻が感じられ、それぞれに魅力のあるサウンドとなっておりますので是非とも店頭にてお試し下さい。

魅力その③、お求めやすい価格!!

最後はズバリ価格の違いで従来のD-28が税込¥450,000-なのに対して両モデルとも税込で¥420,000-(2023年7月現在)とかなりお求めやすい価格設定となっております。

その他の「D-28」ラインナップ紹介

マーティンのラインナップの中でも最も人気のある定番モデルとして定着しているD-28には今回のニューモデル以外にも幅広い価格帯で方向性の異なる多くのバリエーションが御座います。

HD-28

1976年に登場したD-28の兄弟機と言えるベストセラーモデルです。
ヘリンボーンのトップインレイにダイヤモンド型のポジションマーク等、黄金期と呼ばれる1940年代の仕様を再現しております。
戦前のマーティンギターと同様にスキャロップド・ブレイシングを採用しており、パワフルな鳴りが持ち味です。
価格は税込¥480,000-(2023年7月現在)となっており、通常のD-28と比較されてデザインや鳴り方のお好みでこちらを選ばれる方も多いモデルです。

D-28 Modern Deluxe

2019年に発表されたモダンデラックスシリーズはゴールドペグやアバロン・インレイによるヘッドロゴ、メイプルバインディングなど、各部に豪華な装飾をあしらったスタンダードシリーズの上位グレードとなっております。
ヘリンボーンのトップインレイを採用した伝統的な外観のD-28にカーボン・ファイバーのブリッジプレートやリキッドメタルのブリッジピンといった最新の技術が融合され、表板にはVTS加工と呼ばれる熱処理が施されていることで新品の状態でも使い込まれたヴィンテージギターの様なこなれたサウンドをお楽しみ頂けます。
ネックも薄みでわずかに左右非対称のシェイプが採用されており、より現代的な仕様のD-28となっております。
価格は税込¥710,000-(2023年9月現在)で既にD-28等の定番モデルをお持ちの方やワンランク上のサウンドや高級感のあるルックスを求める方にオススメです。

D-28 Authentic 1937 Guatemalan


500名あまりのスタッフが在籍するマーティンファクトリーの中でも限られたベテランのクラフトマンのみで構成されるカスタムショップで製作される現行ラインナップにおけるD-28の最上位モデルです。
トップにはアディロンダック・スプルース、サイド&バックにはグアテマラン・ローズウッドと現代における最高級の木材が用いられており、ヴィンテージギターにも勝るとも劣らないサウンドをご堪能頂けます。
現在では機械化されている工程もあえてハンドメイドによって仕上げられており、1937年当時のD-28を忠実に再現した正に究極のレプリカモデルとなっております。
価格はマーティンのラインナップでもトップクラスの税込¥1,120,000-(2023年7月現在)と高額ではありますが一生物として太鼓判を押せる素晴らしい楽器となっております。

まとめ

ひとくちにD-28と言っても新たに発表されたサテン・フィニッシュ仕様を加えてより豊富なバリエーションとなったことでどのモデルを選択するか迷っていた方は多いのではないでしょうか。
アコースティックギターを象徴する名器であり、永遠のスタンダードモデルとも評されるD-28ですが今回ご紹介した内容はその魅力のほんの一部に過ぎません。
実際に手に取り、音色に触れて頂くことでこそ、様々あるモデルからお客様にピッタリの1本と出会うことができますので是非当店にお越し頂き、そのお手伝いが出来ればと思います。

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