ご好評につき第四弾公開中!!

ホセ・ルイス・ロマニリョス 松・ローズウッド
Jose Luis Romanillos & Son


"ギターのストラディバリ"とも称される現代ギターの祖、アントニオ・デ・トーレスの研究家としても名高い世界最高峰の製作家の一人。
スペイン、マドリッド生まれのホセ・ルイス・ロマニリョスはもともとは指物職人でアマチュアのギター愛好家だったが、1956年にイギリスに渡って後、初めてギターを製作。
その頃、偶然近所に住んでいたイギリスを代表する名ギタリスト、ジュリアン・ブリームとの交流から様々な助言を得、"アントニオ・デ・トーレス"を基にした素晴らしい楽器を製作し続けている。
現在はスペインのシグエンサで「ギター博物館」を設立し、ギター研究に没頭しているロマニリョスの息子リアムと製作した貴重な新作であり、4ピースバックの裏板、ヘッド、口輪などの精緻な組木細工は正に芸術品と呼ぶにふさわしい。
余分な倍音が出ることがない純度が高く高貴な音色が、ボディ全体が振動して木質系の柔らかな響きとなって立ち上り、暖かで心地よい響きが空間に満ち溢れる名品。

レオナルド・プラットナー
LEONARDO PLATTNER


1978 年、スイスに生まれたレオナルド・プラットナーは2005年にギター製作を開始。 2010年からスペインマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスの工房にて製作を学び、2011年に惜しまれつつ引退したアルカンヘルよりその工房を引き継いだ。
サントス・­エルナンデス、マルセロ・バルベロ、アルカンヘル・フェルナンデスと続く伝統的なマドリッド派のギター製作技法を継承した数少ない製作家であり、ヘスス・イ・マリア通りの伝統あるその工房には、数々の銘品を生み出してきたギター製作の為の器具から、長年ストックされてきた厳選された材料まですべてが引き継がれている。

力強さの中にもすっきりとした清涼感を湛えた伸びやかな音色、ボディシェイプやヘッド形状などの端正なルックスからはアルカンヘルの作風を継承した上で、自身の作品として確実に昇華させている。


コルヤ・パンヒューゼン 松・ハカランダ
Kolya Panhuzen


コルヤ・パンヒューゼンは1941年生まれ。 幼少期よりクラシックギター音楽に親しんでいた彼は、叔父である20世紀のドイツを代表する銘工の一人エドガー・メンヒ1世の工房に出入りするようになり、そのギター製作技法を学びました。
1967年に最初のギターを製作。1971年にカナダからドイツにもどったエドガー・メンヒの元で正式な弟子として働いた後、1974年にカナダのトロントに自身の工房を開きました。1992年にはドイツにも工房を設立し、現在はドイツとカナダを行き来しながら、素晴らしいギターを製作し続けています。
ドイツ人ならではの丁寧で正確な工作精度で仕上げられたシンプルだが美しい外観を有し、叔父メンヒ1世の作風の影響を大きく感じる、スペイン系の楽器とは全く異なる、透明感に溢れ、腰の強い音色がバランス良く響きます。

ヘルマン・ハウザー3世 1937セゴビアモデル特注品
Herman HauserⅢ
1937 Segovia Limited Edition


1958年生まれ、1974年に父であるハウザーII世の元でギター製作を始め、製作40周年を超え益々評価の高まるドイツを代表する銘工ヘルマン・ハウザーIII世の最新作。
1937年"ギターの神様"アンドレス・セゴビアが「これ以上のものは造らなくて良い!」と絶賛し、愛用し続けたことで世界に名を轟かせたヘルマン・ハウザーI世のギターを基にした特別モデル。
ミュンヘン郊外、ライスバッハの工房を2年前に訪問した際に、百年以上前から代々受け継がれているハウザー家秘蔵の貴重な最高級の材料の中から表面板にはベアクロウが全面に入った極上のドイツ松を、横裏板には見るものを惹きつけてやまない美しい木目のハカランダ材を選別し製作を依頼。 永い年月をかけ、ハウザーI世が製作に用いた型を使用して製作され、遂に入荷した1937スペシャルセゴビアモデル。
暖かみを感じる透明で純度の高い高音と、重厚な存在感の低音が素晴らしい、正に"スペシャル"なハウザーです。

パウリーノ・ベルナベ エスペシャル 松・ハカランダ
Paulino Bernabe Especial


1960年代にスペインを代表するラミレス工房の職工長として活躍した初代パウリーノ・ベルナベ(1932-2007)は、1969年に独立した後、多くのギタリストと意見交換しながら工夫を重ね、1972年には巨匠ナルシソ・イエペスの為に10弦ギターを開発し、1974年にはミュンヘンで開催された国際工芸博覧会で金メダルを受賞した。

幼少の頃より父のギター製作の仕事を身近に育ち、17歳より父の工房にてギター製作の道に入った後、30年に渡り、偉大な製作家である父と共にギターを製作した1960年生まれの二代目パウリーノ・ベルナベの最新エスペシャルモデル。
父の製作技法をその精神と共に受け継ぎ、ギターのストラディバリウスに匹敵する究極のギターを目指して製作を続けており、重厚な低音と力強い高音、音量と遠達性を兼ね備えた正に現代を代表するコンサートクラシックギター。
考え抜かれたネック形状は弾き易さを兼ね備え、洗練された硬質な音色、輝かしい高音は虹色の色彩を放ち、スペインギターの真髄をご堪能ください。

ダニエル・フレドリッシュ 杉・ローズウッド 1984年製
Daniel Friederich 1984


現在、高齢で製作依頼も不可能といわれ、非常に入手困難な楽器となっている現代フランスを代表するギター製作家、ダニエル・フレドリッシュ。
1932年に家具職人の家に生まれ、父親から木工技術を学んだ。
フランスの天才女流ギタリスト、イダ・プレスティが弾くギターに魅せられ、ギター製作の道に進み、画家でもあったフランスの銘工ロベール・ブーシェや、 ギタリストのプレスティ、ラゴヤから多くの助言を得て、1967年にベルギーで開催されたギター製作コンクールで銀賞を受賞したことから世界的な名声を得た。
その後もパリ大学の音響学教室と専門的な研究にも関わり、内部構造に独特の工夫を重ね続け、アルヴァロ・ピエッリを始めとする世界中の多くのプロギタリストに愛奏されている。
パリのエスプリが感じられる独特の粘りのある音色は豊かな色彩感を伴い、艶やかで気品の漂う魅力に満ちている1984年に製作された名品。

エルナンデス・イ・アグアド 松・ハカランダ 1965年製
Hernandez y Aguado


マヌエル・エルナンデスが木工、ビクトリアーノ・アグアドが塗装を主に担当して共同製作され、世界3大銘工に数えられる銘器。
アランフェス協奏曲を初演したことでも知られる名ギタリスト、サインス・デ・ラ・マーサから多くの助言を得、デ・ラ・マーサ愛奏の銘器サントス・エルナンデスを参考に研究を重ねた。
1965年に製作されたこのギターは、652mmの弦長、50.5mmのネック幅で、演奏性も高く、重厚な低音に支えられたふくよかでよく歌う高音がバランスよく響き渡ります。
その端正で上品な音色は、正にギタリスト憧れのアグアドトーン。ギターファンであれば一度は手にしたいと願う逸品中の逸品です。

イグナシオ・フレタ I世 松・ローズウッド 1962年製
Ignacio Fleta


現在、注文から入手まで15年はかかるとも言われるスペイン、バルセロナの銘工。
もともと弦楽器工房でヴァイオリン、チェロ、コントラバスなどの弦楽器の製作・修理の技術を身に付けたイグナシオ・フレタI世は、1950年に「ギターの神様」アンドレス・セゴビアの名演奏に感銘を受けたことから、ギター製作に専念することになり、1955年にセゴビアがフレタのギターを使用したことにより、一躍世界中に知られることになった。
1965年にラベルがそれまでの"イグナシオ・フレタ"から"イグナシオ・フレタ・イーホス"(イグナシオ・フレタと息子達)となる前に製作された、I世の手による表板が松材の貴重な1本。
フランス文化の影響が強いバルセロナで培われたその音色は色彩感に溢れ、世界3大銘工と呼ばれるに相応しい名品。

第三弾はこちらから!!

ゲオルグ・ボーリン 11弦
Georg Bolin
"11String Alto" 1981


1912年スウェーデンに生まれ、家具職人から、ギター製作家としてストックホルムで製作を行い、名ギタリスト、イェラン・セルシェルの師である P.O.ヨハンソンの依頼で11弦ギターの製作を始めた。
氏のギターは現代主流の音量を求めたギターとは真逆の、音質を追求したギターであり、耽美な音色を有している。
ギタリストの重要なレパートリーとなっているリュートの楽曲を現代のギターで演奏した時の音色の違いからくる違和感を解消するための試行錯誤の末、リュート調弦に近づける為にアルトギター(1弦開放がG)とし、低音弦を5本追加。
バッハのリュート組曲を楽譜通りに演奏することが可能になっている。
993年に惜しまれつつ世を去った氏のギターの中でも非常に良いコンディションの1本。
ホセ・ラミレス III世 P.B. スタンプ 1963年製
Jose Ramirez III
P.B. (Paulino Bernabe) Stamp 1963


スペインを代表するギター製作の名門一族の、ホセ・ラミレスIII世は1960年代初め、レッドシダー(杉)材を表板に採用、ボディを大型化、弦長を664mmなどの多くの革新を行ない、音量と独特の甘い音質を備えたそれらのギターはセゴビアに用いられ、ラミレスギターの名は一気に世界に広まった。
このギターは1963年、杉材の使用が始まったころの表板に松材 を用いた貴重な1本。
60年代当時は製作を行った職人のイニシャルが、ボディ内部、ネックヒールにスタンプされており、「PB」は、セゴビアにも用いられ、その後独立した銘工パウ リーノ・ベルナベのスタンプであり、工作精度の高さと「松」材ならではの凝縮した密度の音色が素晴らしい。
なお、特定のスタンプへ需要が集中した為、80年代以降はスタンプは施されていない。

ヘルマン・ハウザーII世 1976
Hermann Hauser II 1976



ドイツ ミュンヘン郊外ライスバッハの地で現在も世界中のギタリストの為に最高級のコンサートクラシックギターを製作し続けるヘルマン・ハウザー家。ヘルマン・ハウザーⅡ世(1911-1988)は1930年より父ヘルマン・ハウザーI世の元で働き始め、1952年10月よりその仕事を引き継ぎました。世界中の著名なギタリスト達との交流を重ね、1957年製作のギターはイギリスの名ギタリスト ジュリアン・ブリームが永年愛用、録音
にも使用されました。
セゴビアが愛奏するクラシックギターを完成させたⅠ世のスパニッシュギターの作風を継承していたII世は、一流のギタリストからの要求に応えて更にギター製作方法を追及。現在ではドイツ製ギターの特徴と言われることも多い「硬質」で「クリア」な音色を確立したと言えます。
1976年製。1音1音が非常に明瞭で、和音の分離も良く、大きなコンサートホールであっても一番後ろの席までしっかりと音の通る、遠達性に優れた最高級のコンサートクラシックギター。

「渡辺プレミアムセレクト」第一弾はここから!!

パウリーノ・ベルナベ "トーレス"
Paulino Bernabe
"Torres" NEW


1960年代、ラミレス工房で職工長を務め、1969年に独立し工房を開いたパウリーノ・ベルナベ。
先代は2007年に惜しまれつつ他界されたが、17 歳から工房で30年以上に渡り共に製作を行ってきた当代のパウリーノ・ベルナベにその製作技法は確実に受け継がれている。
現代を代表するギター製作家であるパウリーノ・ベルナベの工房には、古今東西のクラシックギターの銘品がコレクションされており、大変貴重な現代ギターの祖"アントニオ・デ・トーレス" 製作のギターも含まれている。
このギターはそのオリジナルのトーレスを研究して製作されたトーレスモデルであり、大き目の口輪や、ブリッチ装飾に施された精緻な細工はその工作技術の高さを物語る。
明瞭な発音と演奏性。まさに現代のトーレスと呼ぶに相応しい逸品。


※上の画像は前回入荷ギターのものです。




これまでに販売してきた「渡辺プレミアムセレクト」をご紹介致します。
グレッグ・スモールマン&サン
Greg Smallman & Son NEW

昨年秋、最後の来日公演で素晴らしい演奏で聴衆を魅了した現在最高のクラシックギタリスト”King of Guitar”ジョン・ウィリアムスが愛用するオーストラリアのギター製作家、グレッグ・スモールマンの最新作。
1947年にオーストラリアで生まれた、スモールマンのギターは伝統的なスペイン式ギター製作技法とは全く異なる構造を持っており、表板の内部には「ワッフル」とも呼ばれる格子状の力木を用い、薄く仕上げた表板を重量のある横裏板で支えることで効率的に振動させ、裏板を膨らませた「アーチバック」構造で音を効果的に反響させている。
初めて手にした誰もがその「重さ」と「大音量」に驚くが、世界中のプロギタリストが愛用することでも現代最高クラスのコンサートギターであることが証明されている。
来日公演の合間にお忍びで来店されたジョン・ウィリアムス氏も実際に試奏し、「やはり良いギターだ」と認めた最新作。


アルカンヘル・フェルナンデス
Arcangel Fernandez 2000

1931生まれのアルカンヘル・フェルナンデスは家具職人として働きながらフラメンコギタリストとして活動する内にマドリッド派の銘工マルセロ・バルベロの工房に出入りするようになり、その後楽器製作の道に専念するようになった。1956年にバルベロが急逝するまでの2年間で得たことを基に頑なに伝統的な製作技法を守り続けてスパニッシュギターの銘品の数々を製作し続けましたが、2011年に惜しまれながら工房を弟子であったレオナルド・プラットナーに譲り引退しました。
2000年製作、ほとんど傷の無い綺麗な状態の品で、慎重に丁寧に保管・演奏されていたことが、感じられ、横裏板に使用されている柾目のハカランダ材はいかに良い材料を厳選して製作されたのかが一目瞭然と言える最高級の代物。サントス・エルナンデス、マルセロ・バルベロと続くスペイン マドリッド派のスパニッシュギターの作風を見事に継承し、力強く煌びやかなその音色は、一聴するだけで解る最高峰のコンサートギターです。


パウリーノ・ベルナベ 10弦
Paulino Bernabe 10-String

「禁じられた遊び」があまりにも有名な、名手ナルシソ・イエペスの要求を満たすために研究を重ね、1973年に先代パウリーノ・ベルナベの手で完成された10弦ギターは、6弦ギターでは音程によって差が生じる開放弦の共鳴音が12音全ての音程で鳴るように設計・製作されている。
多くの製作家がイエペスの為に、試行錯誤をして10弦ギターを製作したが、マエストロが愛した10弦ギターは終生ベルナベのものだけであった。
先代ベルナベと30年間共に製作し、唯一その製作技術を継承した当代パウリーノ・ベルナベの手によって完成した最新作の10弦ギター。
先代より受け継いだ最上級の材料が吟味されて用いられており、華やかで流麗な響きと明瞭さを併せ持ったその音色は無限の可能性を秘めている。


ホセ・ラミレス
Jose Ramirez I 1905
Woodpeg / Flame Maple

世界で最も有名なギター製作一族である、ホセ・ラミレスが、世界的な知名度を獲得したのは1960年代、III世の時代に、セゴビアがハウザーから持ち替えたことによる。
この楽器はIII世の先々代である、I世の時代の大変貴重な1本。
スペイン、マドリッド派を代表する製作家であったラミレスI世が生涯造り続けたタブラオギターとも呼ばれる伝統的なマドリッドスタイルのギター。
横裏板に採用された壮麗な虎杢のメイプル材と、ヘッド、口輪、ブリッチ、各部に施された精巧な細工が特別に注文された逸品であることを物語っている。


アントニオ・ラジャ・パルド "トーレスモデル"
Antonio Raya Pardo "Torres" NEW

世界で最も有名なギター製作一族である、ホセ・ラミレスが、世界的な知名度を獲得したのは1960年代、III世の時代に、セゴビアがハウザーから持ち替えたことによる。
この楽器はIII世の先々代である、I世の時代の大変貴重な1本。
スペイン、マドリッド派を代表する製作家であったラミレスI世が生涯造り続けたタブラオギターとも呼ばれる伝統的なマドリッドスタイルのギター。
横裏板に採用された壮麗な虎杢のメイプル材と、ヘッド、口輪、ブリッチ、各部に施された精巧な細工が特別に注文された逸品であることを物語っている。
100年以上前の楽器とは思えないコンディションで調整されており、時代を経て枯れ切った材全体を振動が伝わり、聴衆はもちろん弾き手にも深い感動を覚えさせる。


ヘルマン・ハウザー III世
Hermann Hauser III 2003

1958年、ドイツを代表するギター製作一族であるハウザー家に生まれたハウ ザーIII世は、1974年、父であるハウザーII世の元でギター製作を始めた。
I世、 II世と代々受け継がれてきた製作技術を受け継ぎ、1978年にはドイツのギター製 作展示会でゴールドメダルを受賞。
明瞭で澄み切った音色は “ハウザートーン” と讃えられ、世界中のギタリストに愛されて続けている。
このギターは、スペインの名手ミゲル・リョベートの愛用していたアントニオ・デ・トーレスを基にハウザーI世が製作に用いた型を使用して製作された”リョベート(トーレス)モデル”。
ハウザー家で代々受け継がれてきた良質な木材が惜しげもなく用いられており、重厚な低音と、和音の絶妙な響きのバランスが素晴らしい。


グレッグ・スモールマン
Greg Smallman NEW

現在最高のクラシックギタリスト、”King of Guitar”ジョン・ウィリアムスが愛用するオーストラリアのギター製作家、グレッグ・スモールマン。
1947年オーストラリアに生まれ、彼のギターはトーレスを始祖とする伝統的なスペイン式ギター製作技法とは全く異なる製作理念で製作される。
表板の内部構造に「ワッフル」と呼ばれる格子状の力木を用い、重量のある横裏板で薄く仕上げた表板を最大限効率的に振動させ、裏板を膨らませた「アーチバック」構造で音を効果的に反響させている。
初めて演奏する誰もが驚きを禁じ得ない大音量と演奏性の高さは、世界中のプロギタリストが愛用することでも証明されている。
新作毎に進化を続ける彼のギターはまさに最新作が最高傑作と言える。


イグナシオ・フレタ・エ・イーホス 1989年製
Ignacio Fleta e Hijos 1989

1年間に製作できる本数をはるかに超えるバックオーダーを抱え、オーダーストップとも、注文から入手まで15年待ちとも言われる程、世界中のギタリストに愛され続けているイグナシオ・フレタのギターは、2代目の兄、フランシスコが病死した現在、ガブリエルとその息子達によって製作されています。
ホセ・ラミレスIII世の影響から多く用いられる杉材を表板に、ハカランダよりもローズウッドを横裏板に用いるフレタらしい材料で製作された1本。
フランス文化の影響が強い芸術の都、バルセロナで製作されるフレタは、特徴的な甘美な音色と力強さを併せ持つが、その能力を最大限に引き出すには演奏するギタリストに高い力量が必要とされ、芳醇な香り立つ音色には限りない魅力がある。


マヌエル・ベラスケス 1989年製
Manuel Velazquez 1989

1917年、プエルトリコ生まれのマヌエル・ベラスケスは、家具職人から、弦楽器の修理を行った後、自身の工房を開き、1941年にアメリカ、ニューヨークに店 を移し、ハウザーI世の強い影響が感じられる氏のギターは世界中のギタリストから注目を集め、この100年間で最も偉大なギター製作家の一人に数えられる。 アメリカに移住後、ギター製作の指導を行ったことからアメリカのギター製作学校の父と呼ばれ、慕われており、現在はその製作技法を受け継いでいる息子アル フレッドも製作を行っているが、製作本数が非常に限られている為、新作の入手は非常に困難となっている。1989年に製作されたこのギターは、少し小振りなハ ウザーI世タイプであり、しなやかで透明感のある高音と重厚な低音が美しく調和して心地よく響く。


マヌエル・カセレス
Manuel Caceres NEW

スペイン、マドリッドで、サントス・エルナンデス、マルセロ・バルベロ、アルカンヘル・ヘルナンデスと脈々と受け継がれてきたギター製作の銘工の系譜。
アルカンヘルが引退した現在、その製作技法を受け継ぐ製作家は、マヌエル・カセレスをおいて他には考えられない。黄色味の強いセラック塗装は、新作であり ながら既に弾き込まれた名品を思わせ、手に取って調弦をする時から、力強い音色に惹きこまれます。
工房に直接伺った際に、特別に製作に応じていただいて裏板中央にメープル材を配した貴重な1本。
バランスの良さが際立っており、しっかりとしたタッチで演奏することで、粒立ちの良い音が、ギターから解き放たれ、弾き込むことの愉しみを得られることは間違いない。


ホセ・マリン プラスエロ
Jose Marin Plazuelo NEW

現代のスペイン、グラナダを代表するギター製作家である、アントニオ・マリン・モンテロは、グラナダの伝統的なギター製作を行っていたが、1977年に、フ ランスの銘工ロベール・ブーシェに製作のアドヴァイスを受け、それ以降ブーシェのスタイルを取り入れたギターを製作し世界的な名声を得た。
アントニオ・ マリンの甥であるホセ・マリン・プラスエロは、伯父が確立したブーシェスタイルのギターを同じ工房で製作しており、その高い木工技術によって生み出される ギターはもはや銘器と呼ぶに相応しい風格を湛えている。
吟味された良材の杢目を最大限に活かす、セラック塗装を塗るフレンチポリッシュの技術も高く、幾重にも薄く均質に塗られた塗膜は表面に深い光沢を湛える。


ヘルマン・ハウザーIII世 "スペシャルエディション"
Hermann Hauser III
”Special” NEW

1937年、”ギターの神様”アンドレス・セゴビアが「これ以上のものは造らなくて良い!」と絶賛し、愛用し続けたことで世界に名を轟かせ、現在も世界を代表するギター製作家一族であるヘルマン・ハウザー。
2年前にミュンヘン郊外、ライスバッハの工房を訪問した際に、百年以上前から代々受け継がれている貴重な最高級の材料の中から特に良材を選別した”特別”モデルの製作を依頼し、永い年月をかけ、慎重かつ丁寧に受け継がれた工具を用いて製作され、遂に入荷した最新作。
一面に斑が入り、硬質で剛性の高いドイツ松を表板に、4枚継ぎのハカランダ材を横裏板に使用。
透明で純度の高い高音を重厚感のある低音が支え、その高い演奏性は時間のたつのを忘れさせる。


サントス・エルナンデス
Santos Hernandez 1929

スペイン、マドリード生まれのサントス・エルナンデスはギター製作を身に付けた後、マヌエル・ラミレスの工房で最高の職人として数々の銘品を製作し、 1917年に独立し自身の工房を開いた。
若き日のアンドレス・セゴビアが演奏会で使用するギターを探して、マヌエル・ラミレスの工房を訪問した際に、
その演奏の素晴らしさに感銘を受けたマヌエル・ラミレスが、無償でギターを与えたが、そのギターはサントス・エルナンデス製作のギターだったと伝えられる。
このギターは深遠で重厚な低音が特徴的なサントスの中で、高音から低音、各弦のバランスが非常に整った1本であり、弾けば弾くほど鳴りが深くなる。
生き生きとした音楽が溢れだす、その響きの虜とならずにはいられない。


ダニエル・フレドリッシュ 1986年製
Daniel Freidrich 1986

現代フランスを代表するギター製作家であるフレドリッシュは、家具職人の家に生まれ、父親から木工技術を学んだ。
フランスの天才女流ギタリスト、イダ・プレスティが弾くギターに魅せられ、ギター製作の道に進み、画家でもあったフランスの銘工ロベール・ブーシェや、 ギタリストのプレスティ、ラゴヤから多くの助言を得て、1967年にベルギーで開催されたギター製作コンクールで銀賞を受賞したことから世界的な名声を得た。
その後もパリ大学の音響学教室と専門的な研究にも関わり、内部構造に独特の工夫を重ね続け、アルヴァロ・ピエッリを始めとする多くのプロギタリストに愛奏されている。
このギターは1986年に製作された1本で、フランスの楽器独特の憂いと香りを湛えた音色が大変美しい。


エルナンデス・イ・アグアド
Hernandez y Aguado 1961

世界3大銘工に数えられ、通称「アグアド」と呼ばれる銘器。
マヌエル・エルナンデスが木工、ビクトリアーノ・アグアドが塗装を主に担当して共同製作されたギターであり、アランフェス協奏曲を初演したことでも知られる名ギタリス ト、サインス・デ・ラ・マーサから多くの助言を得、デ・ラ・マーサ愛奏の銘器サントス・エルナンデスを参考に研究を重ねた。
このギターは、ラベルに記載された年式は1958年だが、製作番号から1961年完成と推察される逸品。
通常のアグアドよりも少し小振りなボディと 650?の弦長、50?のネック幅が採用されており、演奏性も高い。
ふくよかでよく歌う高音と、それを支える重厚な低音。中音域のバランスも素晴らしく、和音が大変美しく、コンサートホールの隅々まで響き渡る。


ホセ・ロペス・ベジード フラメンコ
Jose Lopez Bellido
Flamenco Blanca

1943年スペイン、マドリッドに生まれたホセ・ロペス・ベジードは、エドゥアルド・フェレールの元でギター製作を始めた。
14年間フェレールの工房で働いた後、エドゥアルドの娘の一人と結婚した。
フェレールの工房を去った後、弟、マヌエル・ベジードを共に製作を行い、アントニオ・マリンにギター製作を師事。
1968年に自身の工房を開いた。今や著名な製作家となったアントニオ・ラジャ・パルドやベルンド・マルティンにギター製作を教える等、彼のギターはスペイン、グラナダに伝わる伝統的な製作技法を用いた彼自身の完全手工品である。
艶やかな歌う高音に野太く重厚な低音と歯切れの良いラスゲアード。フェレール、サントスから受け継がれるスペインの伝統的なフラメンコサウンドがここにある。


↓こちらから「渡辺プレミアムセレクト」第二弾の販売済みギター↓
パコ・サンチャゴ・マリン
Paco Santiago Marin NEW

1948年生まれのパコ・サンチャゴ・マリンはグラナダの巨匠、アントニオ・マリン・モンテロの甥であり、16歳より叔父であるアントニオ・マリンの元でギター製作を学んだ後、1973年に独立してグラナダに自身の工房を開いた。グラナダで1985年に開催された国際ギター製作コンクールをはじめとして数多くのギター製作コンクールで優勝し、製作40周年を迎える氏のギターは、精緻な工作技術と、セラック塗装技術で仕上げられており、ヨーロッパを中心に数多くのギタリストが使用している。
現代的な印象の中に、伝統的なスペインの響きが高い次元で融合されており、太さのある明るく華やかな音色が開放的に響 く。現在、息子であるルイス・サンチャゴ・エルナンデスもその製作技法を受け継ぎ、自身のギター製作を行っており高い評価を得ている。


フランシスコ・バルバ フラメンコ
Francisco Barba Flamenco
NEW

スペイン南部、アンダルシアの古都、セビージャに知る人ぞ知るフラメンコギターの銘工が工房を構えている。グラナダからどこまでも続くオリーブ畑を走り続けるバスに乗り、セビージャの工房を訪問したのが2年前の春。そこで幸運にも注文を受けていただけたフラメンコギターが遂に入荷致しました。
フランシス コ・バルバの製作するフラメンコギターはまさにアンダルシアの伝統的フラメンコギターであり、ドスの効いた低音と、太く歯切れの良い高音。ラスゲアードの音のキレ、高速で弾かれるピカードの粒立ちと非の打ち所が無く、数多くの有名フラメンコギタリストが愛奏しているのも頷けます。
つい先日インストアイベントで大迫力の素晴らしいステージを聞かせてくれたフラメンコギタリスト、エミリオ・マヤ氏が使用していたのもフランシスコ・バルバの逸品でした。


マヌエル・ベラスケス
Manuel Velazquez NEW

1917年プエルトリコに生まれ、アメリカのギター製作学校の父と慕われるマヌエル・ベラスケス。1941年にアメリカ、ニューヨークに店を開いた後、世界中のギタリストの要望に応えて素晴らしいクラシックギターを製作し続け、2012年現在御年95歳であり「製作を既に行っていない」とまことしやかに語られることもある、偉大なギター製作家の2012年製、最新作のクラシックギター。
ドイツの銘工ヘルマン・ハウザーI世のスタイルが強く感じられ、調弦しようと弦に触れるだけで、魅力に溢れた音色が響く、まさに銘品と呼ぶに相応しい1本。重厚な低音は朗々と響き、どこまでも澄み渡る高音が歌を紡ぐ。製作技法を受け継いだ息子アルフレッドの2012年製最新作も同時に入荷しており、親と子、師と弟子の弾き比べを行うのも一興である。


ホセ・ルイス・ロマニリョス
Jose Luis Romanillos 1970

もともとは指物職人であり、アマチュアのギター愛好家であったホセ・ルイス・ロマニリョスは、スペイン、マドリッドに生まれ、1956年にイギリスに渡っ た後、初めてギターを製作したが、試行錯誤を繰り返す中、偶然近所に住んでいたイギリスを代表する名ギタリスト、ジュリアン・ブリームと知遇を得たことか ら様々な助言を得、現代ギターの祖”アントニオ・デ・トーレス”を基にした素晴らしい楽器を製作し続けた。
現在は主に息子リアンが製作を行い、自身はスペインのシグエンサで「ギター博物館」の設立に関わり、ギターの研究に没頭しているロマニリョスが1970年に製作した1本。そっと弦に触れるだけで木質系の柔らかな響きがボディ全体から立ち上り、暖かで心地よい響きで空間に満ち、楽器を演奏することの愉しみを改めて感得させてくれる。


マルセリーノ・ロペス(特注インレイモデル)
Marcelino Lopez
"Special Inlay" NEW

1931年スペイン マドリッドに生まれ、高級家具職人として14歳から働いたマルセリーノ・ロペスは、「アルハンブラの想い出」の作曲者である名ギタリスト、フランシスコ・タレガの高弟、ダニエル・フォルテアにギター演奏を師事した後、18歳でギター製作家とり、銘工サントス・エルナンデスの未亡人に多くの助言を得て、その製作技術は高い評価を得た。
数多くの古楽器、バイオリン族なども製作し、2012年3月に工房に伺った際には、「1,000本記念」として流麗な装飾が全体に施されたバロックギターを製作中であった。
このギターはヘッド、ブリッチなどに精緻なインレイを施した貴重な1本。暖かい素朴な木質系の音色からは、氏の人柄が感じられるまさに伝統的クラシックギター。


ベルンド・マルティン
Bernd Martin NEW

1954年 ドイツ生まれベルンド・マルティンは、ギターを若い頃から学んだ後、1976 年にスペイン、グラナダに移住してギター製作家の道を歩み始めた。
グラナダ派ギター製作一族のアントニオ・デュラン、ホセ・ロペス・ベジードのギター工房の元でスペインのギター製作を学んだ後、自身の工房を開設。
1999年に現代屈指の銘工ホセ・ロマニーリョスが審査員を務めたルテリアギター製作家コンクールにて優勝し注目を集めた。
2006年にギター工房をアルハンブラ宮殿を一望できる隣町サクラモンテの丘の上に移動し、息子のルーカスと共に製作を続けている。
トーレス、サントス・エルナンデスなどの伝統的ギターを研究したそのギターは、落ち着いたバランスの太く奥行きのあるその音色はまさに伝統的なスペインギターと言える。


ルイス・パノルモ 1832年製
Luis Panormo 1832

パリのラコート、ウィーンのシュタウファーと並び称される、ロンドンのルイ・パノルモはバイオリン製作でも有名なパノルモ一族の一人で通常ギターで”パノルモ”と言うと彼を指す。
1784年にパリに生まれ、フランス革命後に家族とロンドンに移住して、1819年に工房を開き好評を博す。
当時から著名なギター製作家であったが。晩年はニュージーランドに移民し、1862年、78歳でその生涯を閉じた。
古いスパニッシュギターやバロックギターに影響を受けた彼のギターは表板内側に扇状の力木を有しており、19世紀ギターの中でも現代のギターに最も近いと言えるが、その音質は全く異なり、ソル、アグアド作曲の古典時代の名曲を爪弾くと、暖かで癒しに満ちた響きが満ち溢れる。


レスター・デヴォー フラメンコ 白
Lester Devoe
Flamenco Blanca

1951年、アメリカ生まれのレスター・デヴォーは1970年代初頭よりクラシックギターに興味を持ちギター演奏を習得した。
自分用に製作したギターが評判となり、ギター製作家を志した。
コレクターの所有する数々の銘器を修理する機会に研究を重ね、1981年に製作したフラメンコギターは、名フラメンコギタリスト、サビーカスに認められ、彼が1990年に他界するまで愛用された。
1990年代に現代屈指のギタリスト、パコ・デ・ルシアが彼の製作したギターをレコーディングで使用、2000年以降には、ヴィセンテ・アミーゴが使用し、フラメンコギタリストの憧れるギターとしての地位を確固たるものにした。
伝統器なスペインの泥臭いフラメンコサウンドとは一線を隔す、近代的で洗練されたフラメンコサウンド。


ホセ・ロメロ フラメンコ
Jose Romero
Flamenco Blanca

1954年にスペインに生まれたホセ・ロメロは1968年、14歳からマドリッドのホセ・ラミレスの工房で働き始めた。
工房の中心的職人として活躍した後、1983年に独立し自身の工房を開く。
スペイン伝統の製作技法を頑なに守りクラシックギターとフラメンコギターを製作しており、独りきりで製作されるそのギターは製作本数が非常に限られている。
このギターは、工房訪問時に特別に依頼して、通常用いられる化学塗料に変えて、伝統的なセラック塗装で全体を仕上げたフラメンコギター。
セラック塗装は塗膜が薄く仕上げることが可能で、その反応性と、響きの豊かさが特筆される。
弦高も非常に低く設定されており、絶妙に削られたネック形状がその演奏性の高さを確実に支えている。


イグナシオ・フレタ・エ・イーホス
Ignacio Fleta e hijos 1977

もともと弦楽器工房でヴァイオリン、チェロ、コントラバスなどの弦楽器の製作・修理の技術を身に付けたイグナシオ・フレタI世は、1950年に「ギターの神様」アンドレス・セゴビアの名演奏に感銘を受けたことから、ギター製作に専念することになり、1955年にセゴビアがフレタのギターを使用したことにより、一躍世界中に知られることになった。
現在では注文から入手まで15年はかかるとも言われており、表板に杉材が用いられることが多いフレタであるが、こ のギターは1965年にラベルがそれまでの"イグナシオ・フレタ"から"イグナシオ・フレタ・イーホス"(イグナシオ・フレタと息子達)のラベルとなった 後に製作された、表板が松材の1本。著名ギタリストによって永年弾き込まれ、芳醇な拡がりを持ったその音色は時の経つのを忘れさせる。


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ヘルマン・ハウザーIII  リョベートモデル "スペシャルエディション
Hermann Hauser III
LLOBET MODELL
?Special edition- NEW

1937年”ギターの神様”アンドレス・セゴビアが「これ以上のものは造らなくて良い!」と絶賛し、愛用し続けたことで世界に名を轟かせ、現在も世界を代表するギター製作家一族であるヘルマン・ハウザー。
1974年に父であるハウザーII世の元でギター製作を始め、今年で製作40周年を迎えるヘルマン・ハウザーIII世の最新作。2年前にミュンヘン郊外、ライスバッハの工房を訪問した際に、百年以上前から代々受け継がれている貴重な最高級の材料の中から特に良材を選別した”特別”モデルの製作を依頼。永い年月をかけ、スペインの名手ミゲル・リョベートの愛用していたアントニオ・デ・トーレスを基にハウザーI世が製作に用いた型を使用して製作され、遂に入荷したリョベートモデル。一面に斑が入り、硬質で剛性の高いドイツ松を表板に、4枚継ぎのハカランダ材を横裏板に使用。少し小振りのボディはしっくりと体に馴染み抱えやすく、透明で純度の高い高音を重厚感のある低音が支え、その高い演奏性は時間のたつのを忘れさせる。


マヌエル・カセレス マルセロ・バルベロモデル
Manuel Caceres Modelo
Marcelo Barbero NEW

スペイン、マドリッドで、サントス・エルナンデス、マルセロ・バルベロ、アルカンヘル・フェルナンデスと脈々と受け継がれてきたギター製作、銘工の系譜。アルカンヘルが引退した現在、その製作技法を受け継ぐ製作家として、マヌエル・カセレスの名が第一に挙げられる。
1947年生まれのマヌエル・カセレスは、1963年にホセ・ラミレス工房でギター製作を開始。15年間務めたあと、1978年よりアルカンヘル・フェルナンデスと共に製作を行い、その後独立してスペイン、マドリッドで工房を構えている。
工房に伺った際、何気ない会話の中でマルセロ・バルベロのクラシックギターがなかなか見つからないことを伝えると、「バルベロの製作技法ならよく知っている」と言っていただいたことから、スタートした特注モデル。マルセロ・バルベロへのカセレスからのオマージュであり、ヘッド、口輪のデザインからラベルまで、細部に至る全てに渾身の情熱が注ぎ込まれていることが感じられる。
新作でありながら既に弾き込まれた名品を思わせる黄色味の強いセラック塗装は手に取った瞬間から深い充足感を感じさせ、粒立ちの良いバランスのとれたその音色は絶対的なコンサートギターとして使用できる正統派スパニッシュギター。


レオナルド・プラットナー
Leonard Plattner NEW

スイスに生まれたレオナルド・プラットナーは2005年にギター製作を開始。2010年からスペイン マドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスの工房にて製作を学び、 2011年に惜しまれつつ引退したアルカンヘルよりその工房を引き継いだ。サントス・エルナンデス、マルセロ・バルベロ、アルカンヘル・フェルナンデスと続く伝統的な マドリッド派のギター製作技法を継承した数少ない製作家であり、ヘスス・イ・マリア通りの伝統あるその工房には、数々の銘品を生み出してきたギター製作の為の器具から、 長年ストックされてきた厳選された材料まですべてが引き継がれている。力強さの中にもすっきりとした清涼感を湛えた伸びやかな音色、 ボディシェイプやヘッド形状などの端正なルックスからはアルカンヘルの作風を継承した上で、自身の作品として確実に昇華させている。
日本初上陸となる記念すべき1本である。


ワルター・ベレット ガルシアモデル
Walter Verreydt GARCIA
Model NEW

ベルギー、ケッセルでギター製作を行っているワルター・ベレットは、1985年に初めてのギターを製作した後、フレタ、ブーシェ、アグアドなどの歴史的な有名クラシックギター製作家の数々の銘品や、現代屈指の製作家であるダニエル・フレドリッシュ、ホセ・ルイス・ロマニリョスとの非常に良好な関係から、19世紀ギター、伝統的なスパニッシュギターの研究を重ね製作を続けている。
ベレット氏は19世紀ギターから、現代的なワッフル構造のギターまで製作しますが、今回入荷の1本は、20世紀初頭の歴史的銘工、エンリケ・ガルシアの1917年製作の銘品を再現したガルシアモデル。
丸みを帯びたネックヒールの形状が特徴的で、緻密で精巧な造りと細かな部分まで丁寧に施されたセラック塗装は素晴らしいの一言。古き良き時代の銘品の新品当時の音色ではないかと感得させられる純度の高い洗練された音色が魅力です。これから長い年月を経て大切に弾きこむことでまさにガルシアのような円熟の美音を奏でるであろう至高の1本。


ビセンテ・カリージョ フラメンコ白
Vicente Carrillo Flamenco
Blanca NEW

スペイン、カスティーリャのラマンチャで代々ギター製作を続けている、ビセンテ・カリージョの最新作フラメンコギター。
昨年12月に来日公演を行い、超速ピカード(速弾き)で聴衆を熱狂させた世界的フラメンコギタリスト、カニサレス氏と親交を持ち、何度も工房に通ったカニサレス氏と様々な意見交換を交わしながら完成された名品。現代のコンサートクラシックギターに見られる大き目の格子状の力木を表板裏に配し、伝統的なスパニッシュギターの製作技法と融合させた、現代最高級のコンサートフラメンコギター。
迫力のある重低音、フラメンコギターに欠かせない音の切れと立ち上がりの良さ。全てが非常に高いレベルの楽器であることを示し、ネック形状、弦高も十二分に研究されており演奏性が高い。
今回、カニサレス氏が愛奏する「フラメンコ黒」も同時入荷しており、弾き比べてお好みの1本をお選びいただけます。


グラシリアーノ・ペレス フラメンコ白
Graciliano Perez Flamenco
Blanca 2013

1955年マドリッドの南に位置するシウダーレアル生まれのグラシリアーノ・ペレスは9歳のときにコルドバに移り住みフラメンコギターを始めた。11歳の時、同じ通りに住んでいた、コルドバの銘工ミゲル・ロドリゲスと知り合い、親密になったペレスはミゲル・ロドリゲスからギター製作方法や材料の選別を学ぶ。コルドバ高等音楽院のマヌエル・カーノの元でフラメンコギター演奏を学び、上級コースまで受講とかなりの腕前となった彼は、ミゲル・ロドリゲスの死後、その全ての材料、工具を引き継いだ。彼のギターは、ミゲル・ロドリゲスのギターを徹底的に研究して製作されており、昨年秋に来日公演を行った世界的フラメンコギタリスト ビセンテ・アミーゴも認め、現在では多くのフラメンコギタリストがグラシリアーノ・ペレスが製作したフラメンコギターをコンサートで使用している。
スペイン アンダルシアの華やかで深みを湛える魅力的な響き、まさにムイ・フラメンカなスパニッシュフラメンコギター。


アントニオ・トーレス 1888
Antonio Torres 1888

現代の全てのクラシックギターの元になった「銘器」の代名詞であるアントニオ・デ・トーレス。1817年スペイン アルメリアに生まれた彼はほぼ独学でギター製作を極めた。その製作期間は1852年から1869年までの第1期(FE)と1875年から1892年までの第2期(SE)に分かれており、彼の作品は以後の楽器製作の規範となっており、現在でも尚多くの製作家が研究し、「ギターのストラディバリウス」とも呼ばれ追い求め続ける理想のギター。
1888年、第2期に製作された銘品。表板は選別された極上のスプルース、横裏板にはトーレスが使用することも多いスパニッシュシープレスが用いられ、ブリッチ両脇に飾りの施された1本。小振りながらも充実した深い音色は遠達性に優れ、高音の伸びやかさ、和音の煌めきは、トーレス以外では無しえない境地に達している。


クラシックギタースペシャリスト
渡辺 泰弘

クラシックギター歴30年目。大分生まれの福岡育ちの九州男児。島根大学ギター部出身。大学在学中に門脇康一氏に師事。
現在までに、スペイン(マドリッド、グラナダ、コルドバ、セビーリャ、アルメリア)、ドイツ、イギリス、アメリカ、イタリア、オーストラリアを訪問し、 パウリーノ・ベルナベ、マルセリーノ・ロペス、アントニオ・マリン、アントニオ・ラジャ、マヌエル・レジェス、フランシスコ・バルバ、ヘルマン・ハウザーIII世、カトリン・ハウザー、ポール・フィッシャー、アンドレア・タッキ、サイモン・マーティ、その他、高名な製作家と会い、「これは」と思える優れたクラシック/フラメンコギターを日本の皆様に紹介させていただいています。
2010年より、クラシックギター外商担当として皆様の元にお伺いさせていただいており、修理・調整から楽器選びのお手伝いまでさせていただきますので、お気軽にご相談下さい。 2018年12月~、テレビ東京「開運!なんでも鑑定団」鑑定士。