ハワイへ訪れ、空港で初めて耳にするギターの音色。あれが「スラッキー・ギター」で、アコースティックギタリストの方々には有名ですね。クロマチックと言われているクラシカルギターのチュ−ニング(低音からEADGBE)に対して、オルタナテヴ(型にはまらない)のチュ−ニングの中でもハワイの音楽では、オープンで長音階、メジャー7th、1〜2弦が5度のインターバルにチューニングされたスタイルを用いることが多く、そこからスラッキー(Slack Key=緩めた音)と呼ばれているのだそうです(JIM KIRLIN文献より)。
が、2弦をBからCに上げるチュ−ニングなどもありますから、緩めたり張ったりして調弦します。また、指をスライドさせたり、ハンマリングのオン&オフ、チャイム(ハーモニクス)など、その奏法の特徴もハワイらしさの要因だと思います。というのも、スラッキー・ユークと呼ぶウクレレでの演奏ではチュ−ニングを変えないし、ギターもクロマチックのままでもハワイらしいターン・アラウンドのフレーズを弾くだけで充分に「あの音」になるものです。
JIM KIRLINの文献によると、1830年代初頭に他の文化と共にガット弦のギターがハワイに伝えられ、この時代ポリネシアの文化と他の文化がハワイで融合しはじめたようです。1860年代には、ポルトガル人がスチール弦のギターをハワイに紹介し、デイビッド・カラカウア王(1874-1891)が文化奨励のひとつとして、音楽のプロモートにも力を入れたと言うこと。で、現代では「音楽の島」とも言えるハワイの歴史が始まったのです。こんな歴史を考えると「スラッキー・ギター」関連のCDが第1回目にハワイアンミュージック部門の受賞したのも必然のように感じてしまいます。
スラッキーと一口に申しましても「我が家秘伝の」といったおもむきがあり、当然あなたのオリジナルチュ−ニングもアリなのです。
最後に、手元にある参考文献から代表的なチュ−ニングを列記させていただきます。
| Taro Patch(オープンGメジャー) |
DGDGBD |
これはブルースやカントリーでも使いますね |
| C Wahine |
CGDGBE |
ワヒネは女性という意味 |
| Modified C Wahine |
CGDGBD |
Leonard Kwan氏のチューニング |
| Mauna Loa |
DGDDGD |
トップ2弦の5度インターバル特徴 |
| G Mauna Loa |
DGDEGD |
Leonard Kwan |
| A Mauna Loa |
EAEEAE |
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| D Wahine |
DADF#AC# |
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| Bb Wahine |
FBbCFAD
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| F Wahine |
CFCGCE |
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| F Wahine Gabby's |
FCEGCE |
ギャビー(ゴミの意)パヒヌイのチューニング |
| F Wahine Keola's |
CFCGCE |
ケオラ・ビーマーのチューニング |
| G 6th |
DGDGBE |
クロマチックの低音2弦を1音づつダウン |
と、まだまだあるようですが、とにかくバリエーションがあり過ぎて、今何のチュ−ニングのギターを弾いているのか忘れる事もしばしば。その一方で、ハワイ大学のスラッキー・ギターの授業では、2学期(セメスター)にかけてオープンGメジャーチュ−ニングのみをびっちり教わります。しかし、演奏中にどの曲を弾いているのか忘れてしまい、ほかの曲のブリッジを弾いてしまうこともあるのです。トホホ。
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