オアフ島カイムキ在住 Mr.KokuboのウクレレNEWS

Vol.1 第34回ウクレレフェスティバル Vol.2 ローカルミュージック Vol.3 ウクレレファクトリー
Vol.4 ジェイク Vol.5 スラッキー Vol.6 フラ
Vol.7 第35回ウクレレフェスティバル プレイベント Vol.8 第35回ウクレレフェスティバル リポート Vol.9 「無料」で楽しむお得情報
Vol.10 第23回ハワイアンスラッキー フェスティバル Vol.11 ハワイ音楽研究会」御一行様ホノルルご到着 Vol.12 ウクレレギルド オブ ハワイ 2005
Vol.15 ホッとするお話
Vol.16 第36回ウクレレフェスティバル Vol.17 24th Annual HAWAIIAN SLACK KEY GUITAR FESTIVAL 2006 “OAHU STYLE”s

 今回のご報告は近所のウクレレファクトリーです。写真とレポートでお伝えしているオアフ島をはじめとする「ハワイ州」は、アメリカ合衆国最新の州で、1959年に州となりました。アメリカ合衆国は我が日本国と違って多くの権限が州政府に与えられ、市民サービスの中心は州、そして市と郡が施行します。ハワイ大学も州立です。

 税率も州によって違いがありますが、ハワイ州の所得税はおおまかに言うと30%以上とかなり高額。そして狭い島々なので、生活必需品の自動車、ガソリン、そして家などの価格もとても高く、生きていくには相当つらいところだと感じます。

 
一方収入はビジネスの修士号を持ち、ニューヨークで銀行マンだった人でも、ハワイの銀行に勤めて毎月の手取りで$1,800。おまけに「この数年で1セントも上がってないね」といった状況になっています。ちなみに銀行業はこの州で最大の産業です。ま、そんな夢と現実に大きなギャップのある「楽園」ですが、一生懸命に額に汗して働くウクレレ工場の人々の様子をまとめてみました。



 最初のウクレレ工場のご紹介は、パールシティー近くにある「ケリー」です。シスターブランド「ケイラニ」は、ケリーさんのかわいい娘さんの名前。写真がお父さんのケリー氏です。ハワイアンな性格からか、ウクレレの材料入手が困難なためか、コアの原材料は不足がちです。そこで、オールマホガニーやマホのサイドバック+コアトップのモデルをケリーのシスターブランド「ケイラニ」で展開しています。
←写真のウクレレを持つ人が「ケリーさん」。そして、後姿はわれらが阿部店長です。

 次は、アラモアナセンターやワードからも近い「カマカ社」です。今や「ウチのウクレレはカマカだから」などと、まるであの高級ブランド「ヴィトン」のように多くの主婦にも一流品として知られています。場所的にも観光しやすい場所にあり、多くの人がカマカの社屋を訪れるほど。オアフ島観光局の観光スポット指定を受けていて、社屋の前のサウス通りには州政府の案内看板もあります。

 その規模は「世界のカマカの社屋がこんなに小さいの?」と驚きますが、内部は他の工場と比べれば充分に機能的なレイアウトで構成。ドアを入ると、1階にはショップフロントがあり、在庫があればウクレレを買う事が出来ます。

 その奥の1階部分が、ウクレレ組み立てラインのフロアです。製造工程にあわせラインが組まれ、工場全体は非常に蒸し暑く、額に汗しながら仕事をしています。


 ウクレレのボディを切る型とボディサイドを曲げるベンダー。この横には通路をはさんで、乾燥中のボディがたくさん吊り下がっています。



 コア材のストックは、工場裏に風通しが良いように積み上げられてします。これで、7年分とのことですが、あと7年はとても持たないでしょう。それにしてもジュースやお茶の空き缶の多さからも、工場内の蒸し暑さが想像できます。

 すごい量のオーダーがあるようですが、そんな早急にウクレレを製作できる技術者は育ちません。2階にある最終工程で働くハワイアンの人は「いまの3倍に増産? いいね、出来るよ! わっはっはっは」とビックな笑い声を交えて言ってくれましたが、現状でも汗だくで弦を張りまくっていました。この島の人々は本当に気のいい人たちばかりです。

 次は個人製作者を紹介しましょう。クリス・マーチン三世とマブダチで製作方法も彼から学んだと豪語するハオレ(白人)「レス・リエトフォーズ」さんです。

 彼は「ソプラノ製作はペインフル(苦痛)だ」といいます。最近は、ギター製作に近い大きいボディのカッタウェ−タイプ中心に、カイルアにある自宅のガレージで製作しています。一見、普通のアメリカの家という感じですが、中は立派にウクレレ工房です。

 今から数年前、カイルアにあるギター屋さん「ココナッツグローブ・ミュージック」で彼と初めて会いました。その時、ダブルネック・ウクレレにバリバリのインレイを入れたモデルを製作していたことを覚えています。とっても高そうなウクレレを製作している彼ですが、今回も一本で80万円くらいするそうです。メインランドからのオーダーをこなしきれないんだと言っていました。

 そして、タンギさんとタンギさんのニャンコ。日本のお金持ちもたくさん住んでいる"ハワイカイ"に向かう道をルナリロ・ハイウエー沿いに行くと、ラナイにある最終工程を仕上げるタンギさんの自宅があります。以前はマホガニーボディーをベトナムでも組んでいたそうですが、今はハワイメイドだそうです。

 インレイ入りのモデルは比較的安価で買えることもあり、とくに日本でも商品択びに厳しい女性に大人気(と阿部店長談)。タンギさんは以前プレスリーのカバーなどをショーで演奏していたそうで、とても人気のあるワォーキングミュージシャンでもあったそうです。もちろん、今はウクレレ製作一本とのことでした。

  


 最後は「マカイナイ氏」の仕事場であるマカイナイを訪問しました。彼のウクレレは日本の若手ユニット「ラウラ」の来海くんも使っています。藤沢が地元の彼のお母さんは、僕の後輩の家族と大の仲良し。彼らの結婚式のゲストとして来てくれました。その時「ハワイでカマカのウクレレを探しているうちに、マカイナイを見つけて思わず買いました」と言っていましたが、阿部店長によると今ではトップが欠けてしまうほど仕事しているとのこと。マカイナイ氏はとてもビッグな心を持つ48歳のハワイ系アメリカ人で、78年までカマカにいました。その後家業の家具製作会社を継ぎながら、個人で「マカイナイ」ウクレレを製作しています。

 アメリカのベビーブーマーもまもなくリタイヤするとのこと。今、全米の不動産バブルはハワイ州も例外ではなく、新しい住宅やマンション(コンドと言います)の建設ラッシュなのです。

 「今、あなたの作るウクレレを待ちわびる日本のファンは大変多いのです。先日のウクレレも30分で全部売り切れてしまいました」との阿部店長の話にマカイナイ氏は目をうるませていました。「今回、あなたの話を聞けてよかった。驚きとともに誇りに思う。でも今は友達を助けて、社員に給料を払う義務が私にはあります。私が製作したウクレレだけが、マカイナイと呼べるのです。残念ですが、私の代わりはいないのです。どうか日本の方々にくれぐれも事情をご理解いただけるようにお願いしてください」と話していました。

 会談中にお茶を出してくれた彼の娘さんは、ハワイで大ブレークしたハワイ大学在学中の女の子2人組ユニット「ケアヒヴァイ」のウクレレプレーヤーです。どうりで、マカイナイのウクレレ弾いているハズです。曲の端々では、なかなかCoolなウクレレソロが聞けます。写真は2001年にリリースされた「Local girls」というアルバムで、もう1枚最新CDがリリースされています。






Mr.Kokubo プロフィール
ワイキキからアラワイ運河をこえたマノアバレーのふもと、ジェイクが卒業した「カイムキ高校」の近所に住んでいるコクボでございます。バンドの地元のやつらには、「アキィ」と呼ばれています。このたび、ご縁あって音楽やウクレレについてのローカル情報を、みなさまにお送りさせていただくこととなりました。わたくしも1年前にウクレレをはじめました。みなさまに負けないように、日夜D7を押さえる練習をしております。みなさまにお会いできる日を楽しみに、近所の様子もおしらせしてまいります。よろしくお願い申し上げます。

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