ここでは、本場スペイン製クラシックギターの魅力、良いとこ悪いとこ、ざっくばらんに解説していきます

スペイン製の特徴は?と聞かれてまず最初に出てくるのはやはり「音」です。それぞれ一言で表現するなら、聞き取り易い低音、クリアーな高音、甘い中音、といった具合に「箱鳴りの良い生楽器」の特徴がよく出ています。

造りの丁寧さや細かいところの仕上がりの綺麗さなんかでは、国産のものに敵わないのですが、良い塩梅の力加減で組み上げられているゆえの音色がたしかに出力されます。

また、本場ものだけあって、スペイン製のギターが本格派のプレイヤーに使用されることが多く、「なんとなく馴染みのある良い音」であることも聞き心地の良いポイントかと思います。


数多くの名器が存在


例えばフォークギターの場合、本場ものはアメリカ製になるのですが、一番安くても15万円くらいから、といった感じです。 ところがクラシックギターの場合、本場スペイン製ががなんと「5万円台」から存在します。10万円くらいまでが表板のみ単板。それ以上がオール単板といった感じで、国産ものとほとんど値段によるスペックが変わりません。「せっかくだから本場もの」といった時に金銭的なアップチャージがほとんど無いこともスペイン製クラシックギターの大きな魅力と言えるでしょう。


セミハードケース付きで¥56,000(税別)なんていうモデルも!!


良いことづくめの様にスペイン製を説明してきましたが、弱点がないわけではありません。簡単に言ってしまうと「日本人的感覚で行くと、ちょっと仕上がりは粗いよ」という部分です。

これは、スペイン製のギター工房はスーパースペックな機械をあまり入れていなかったり、もともとのお国柄的なとこもあると思います。

ただ、この「ちょっとラフに造られてる」塩梅が良い音を出すという事実もあるので、「音を楽しむ」のであれば気にしないでもらいたいな、と思います。

あと、スペイン製クラシックギターは出荷時の弦高がちょっと高めの個体があったりします。これはお好みに合わせて無料調整しますので、気になる方はお気軽にご相談下さい。


細かく見るとちょっと粗いところも…


現在のクラシックギターは、19世紀後半、アントニオー・デ・トーレスを筆頭とするスペインの製作家たちによって当時主流だった19世紀ギターを改良し原型が確立されました。

以後、スペインのみならず周辺各国のギター製作者たちはギターの音色づくりに磨きをかけ、演奏という点で実践的な楽器に仕上がっております。きらびやかに飾り立てる事はせず、形や塗装を洗練させた木質系の美しいギターを製作してきました。

現在でも、スペインはクラシックギターの発祥地としての誇りとプライドを感じさせる、クラシック曲に良く合う華やかで明るく緻密な音色を持ち合わせるクオリティーの高い楽器が生産されております。


19世紀ギター