アコギの主要ブランド(MartinやGibsonなど)について、池袋店アコギ担当者が超独断と偏見でざっくり説明します。
もちろん各メーカーとも、モデルによって色々な性格のギターがあるので、あくまで目安程度ということで。

現在のアコースティックギター全ての基準となっているトップブランド。その創業は1833年にまで遡る。(1833年といったら日本は江戸時代だよ、すごいですね。ちなみに明治維新が1868年)

古くから世界中のミュージシャンが使い続けているため、CDやレコードで聞きなれている音でもあり、「イメージしているアコギの良い音」が出る。耳に優しい箱が良く響くサウンドで、長時間弾いていても聞き疲れが少ない。

アコースティックギターが含まれている音楽であればオールマイティな対応が可能で、幅広い活躍ができる。

ローズウッドやマホガニー、スキャロップかノンスキャロップか、など、構成する素材や構造による音色の違いが一番よく出るメーカーだと思う。

昔は高根の花的なラインナップしかなかったけれど、90年代から10万円前後のモデルも沢山出しており、手が届き易いのに高クオリティでとても好評。エレアコのラインナップが少なかったけど近年かなり増えている。

ルックスはシンプル。あんまり派手なカラーリングはやらない。派手好きには物足りないけど木材の雰囲気が好きな人には堪らない。

有名モデル・・・D-18 D-28 D-35 D-45 000-28 など




【 D-28 】

1894年に、マンドリンの制作を始めたところからスタートした会社。
マンドリンやアーチトップギターで膨らみをより美しく演出するカラーリングであるサンバーストをフラットトップギターにも採用したメーカーであり、ルックス的にもインパクトのある機種が多い。
マホガニーや、ジャズギターの流れを汲みメイプルを使うことが多い。

音のキレが良く、豪華ではないけれど、いなたいサウンドが魅力的で、ロックや古いブルース、チープな雰囲気を生かしたセンチなバラードとの相性が良い。オールラウンドではないけれど独特の味を持つギター。

カラーリングが豊富で、特徴のあるルックスを持つモデルが多い。そのステージ映えもあって、ロックギタリストに愛される傾向にある。

有名モデル・・・J-45 HummingBird J-200 など




【 J-45 】

創業は1952年。当時のエピフォンの職人を中心に立ち上げられたブランド。Martin、Gibsonどちらとも違った系統の音を出すメーカーとして人気がある。

造りは全体的にゴツく、ギターも重め。その影響か音にもガッツがあり、ジャキっとしたサウンドながら音の伸びは長め。

独自形状のピックガードや、大きいヘッド、ちょっと荒っぽいサウンドなど、随所に男らしさを感じずにはいられない武骨なギター。
12弦ギターでも有名で、程良い音の広がりと実音の聞き取り易いサウンドがバランスの良さを演出している。

新しいものはFendar製なので、音が軽くなってギルドらしさは減ってしまった。

近年高騰が始まっているが、それでもMartin、Gibsonと比べるとヴィンテージの使い込まれた個体が手の届き易い価格で手に入れられることも魅力的。

有名モデル・・・D-25 D-35 D-50 D-55 F-30 など




【 D-55 】

創業は1973年だけれど、有名になったのは割と最近のメーカー。エレキっぽいネック形状や弾き心地、ボルトオンジョイント、UV塗装など現代的なアプローチを多く取り入れている。

生鳴りは軽めでシャープな弦鳴りが目立つタイプのサウンド。メーカー独自のピックアップシステムによるエレアコが有名。ただ、このシステムはしばらく使うとノイズが出ることが多く、チェック必須。

カッタウェイボディ、ピックガードの形が現代的な雰囲気でかっこ良いという意見多し。特に○14という小振りなボディサイズがルックス的に纏まっていて人気。

有名モデル・・・310 314CE 814CE など




【 814CE 】

1935年設立の矢入楽器製作所が前身となった岐阜県にある国産メーカー。「純国産」と「ハンドメイド」に非常に拘りを持っている。有名メーカーの中では圧倒的に少ない日産本数はあくまで昔ながらを貫く姿勢の結果。どんなに低価格のモデルでも、アジア圏の工場に生産を任せたりしない。

木材の質感を全面に押し出したモデルが多く、いろいろなカラーリングの機種がありながらも、どれも木ならではの雰囲気漂う独特な仕上がりが魅力。

箱鳴りの良いサウンドながら、煌びやかで豪華というよりは、ウッディで素朴な印象の音色が特徴的。

独自のネックジョイント方式を採用することによって、修理にお金のかかるネック根元に関するトラブルがとても少ないので、初心者にも優しい。

最初からエレアコのモデルは少なめ。

有名モデル・・・RF-65 YW-1000 K7シリーズ など




【 RF-65 RB 】

創業は1962年。1979年に発表したエレアコモデルがアメリカで人気が出て、一気に「エレアコのタカミネ」というイメージを作った岐阜県にある国産メーカー。

独自開発のパラスティック・ピックアップにより、各弦の振動を独立して捉えると共に従来のサドル下ではなくブリッジから「ぶら下がる」形状の為、ハウリングに強くボディのタップ音を捉えるほどのハイゲインでの使用が可能。また、プリアンプはカートリッジ式で交換が安易である為「ただ一つの、一生使えるエレアコ」と評価は高い。(初期モデルは除く)

生音は新品時には鳴り辛く、弾き込んで育てることが必要となるがその文非常に頑丈な作りで、中でもネックトラブルへの配慮に抜け目が無い。ゴトーガット社と共同開発した「2Wayトラスロッド」は順・逆反り共に的確なアプローチを可能としている他 ネックの元起き対策には指板下に「サイドビーム」と呼ばれる棒状のメイプル(or鉄の棒等々)を仕込め、ネックトラブルが極端に少ない事も評価されている。指板を直線にする為のレーザー計測機等、人間の出せる精度を凌駕する技術は積極的に導入しており、製品としての制度は非常に高い。

塗装技術も評価が高く、豊富なカラーバリエーションも魅力。近年、トップコートに極薄のウレタン塗装を採用しはじめ、所謂箱鳴りも向上してきている為か純アコースティックのSAシリーズにも注目が集まっている。

有名モデル・・・DMP551C DMP751C SA561 など




【 DMP-551C 】