大切な楽器を末永くご愛用いただく為に以下の内容をご一読いただき、
ご注意いただくようお願い致します。

セラック塗装とは
「セラック塗装」というのは、ラックカイガラムシの殻を精製した後、アルコールに溶かして何度も塗り重ねる、天然素材を用いた伝統的な塗装方法のことです。塗膜を極めて薄く仕上げることが出来、その結果、木材の振動を妨げず良い音が得られる為、現在でも高級クラシックギターの多くに採用されています。

スプレーで塗る方法もありますが、セラック塗装の多くは塗装方法として、伝統的なフレンチポリッシュ(アルコールに溶かしたセラックを、テルテル坊主のようなタンポに染込ませて、止まらない様に動かしながら、何度も何度も擦り込むように塗っては乾かしを繰り返す方法。スプレーよりも薄く仕上げることが出来、時間と手間がかかる上、熟練の技術が求められる)で仕上げられています。よく見ると塗装表面に細かな擦り跡がございますが、塗装方法によるもので傷ではありません。

さらに、「セラック塗装」は、他の化学的な(ラッカー、ウレタンなど)塗装と比較すると、物理的な衝撃、水分や熱に弱い為、取り扱いにはいくつかの注意が必要です。

セラック塗装の性質

・物理的な衝撃に弱い。

薄い塗装のため、演奏時に右手の爪があたっただけでも、塗装表面に傷がついたり、板が凹んだりします。固い素材の時計・指輪・ベルトのバックル、また上着のボタンなどでも同様に傷が付く恐れがございます。さらに長時間置いておくとギタースタンドの跡が付くこともあります。

・水分・熱に弱い。

特に夏場、温度湿度が高い状態に置かれると、塗装が再び溶け出して柔らかくなったり、白濁したりすることがあります。ケースの内張り、ズボンや衣類の布地の跡が付いたり、白く濁ってしまう場合がありますが、その場合も、部分塗装、塗り直しなどの方法で直すことが可能です。(布地の跡がついた場合や白濁した場合も、ご使用上の問題はありません。)


セラック塗装のお取り扱い注意

・室温、体温が暑い状態(夏場の帰宅直後や、お風呂上りなど汗をかいている状態)で楽器に直接触れない。汗をふき取り、体を冷ましてからにする。


・演奏時に装飾品は外す。演奏時には右手の爪がギターに当たらないようにし、左手の爪(ネック裏に傷が付くため、特に親指)も短くする。足や腕、胸の前など体と楽器が触れる部分には厚手のクロスをあてる。


・保管、持ち歩きの際にも、直射日光があたったり、高温となる場所は避ける(夏場の車中に置きっぱなしにすることなどは、セラック塗装でない楽器でも故障の原因となりますのでご注意下さい)。



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(株)黒澤楽器店
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