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| 2006年11月 この年のマイクは殆どの作業を一人でこなしていたので、例年よりも注文に時間が掛かっていた。古い楽器の修復が終わるまで、約10ヶ月を要した。 製造年については、楽器の表面にシリアルナンバーが見えなかったので、不明なまま作業に入ってもらったが、全てのパーツを取外してみて、ブリッジの下に小さく、「0190」というナンバーがその後発見された。 このことにより、この楽器は1979年製で、12本目に製作されたトバイアス・ベースである事が判明した。 そして、このブリッジ下のシリアルナンバーの上に2006年11月5日にマイク本人によって修復が施された旨が手書きで書き加えられた。 楽器は新たに新調された専用のハードケースと楽器の詳細について記載されたドキュメントとともに届けられた。 この楽器についてのマイクのコメントは以下のようなものです。 このトバイアス・ベースはシリアル#190で、1979年に製作したものです。 このシェイプは当時「スタイルO」と呼んでいたもので、スペシャル・モデルとして製作しました。とても細いネックと、ピックガード付のフェンダーのボディ/弦の間の狭い空間を模した「仕込み角度の浅い」ネックジョイントが設計上の特徴です。 元々のエレクトロニクスはスター・ギターズ社で、(アレンビック社と同様)5ピンのジャックのついた外部電源ユニットを必要としましたが、これは生憎壊れてしまい、取り去られてしまいました。そこで私は、ビル・バルトリーニにこの楽器のためだけの特別なプリアンプの製作を依頼し、それと交換する事にしました。 (コントロール・キャビティ内の)元々のシールドは特殊な導電塗料でしたが、これを(現在のMTDと同様)銅はくへと改めています。 コントロールはマスター・ヴォリュームとバランサー、400Hz固定のミッドレンジと、上下スタックのトレブル/ベースとなっており、これらは通常の1/4フォン・ジャックより出力されます。ヴォリューム・ノブを引張ると、出力先がXLRキャノン・アウトに切り替ります。この信号はプリアンプやボリュームすらバイパスした、それぞれのピックアップからのダイレクト出力で、いわば「ステレオ・パッシブ・ベース」といったところです。専用のケーブルを付属してみました。 ちなみに、この楽器のファースト・オーナーはバークレー音楽大学のダグ・マシューズという人です。 マイク・トバイアス |
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| 2006年12月 そして待望の新作が完成した。 その旨を知らせるメールをそのまま記載します。 いつもありがとう。 今、ちょうど出荷準備が整ったところです。 私と、例の記念のベースとラックの中のその他の荷物の画像を添付しました。 この楽器は本当に素晴らしいです。 外観は#190のレプリカとして申し分のないものに仕上がりましたが、いくつかのモダナイズのための変更を加えています。 新旧が合わさった仕様の方が、50年間続いてきた会社のステートメントとしてより相応しいと思ったからです。 ヘッドやボディの形状はオリジナル通りのトバイアス・シェイプですが、ロゴだけはスペシャルなMTDロゴとなっています。 エレクトロニクスは今のMTDのそれとしました。ブリッジは私が実際に'80年頃使用していた(オリジナルと同じ)スター・ギターズ社製です。 オリジナルのグローバー製の糸巻きは、いつの間にか、なくなってしまっていたので、ヒップショットのトラッドな形状のものを使用しました。ご存知の通りオリジナルのデザインに関する権利をギブソン社が手放さないかぎり、私は元と全く同じ形状のものを造る事は出来ません。(それは商標違反となります。)これが、ペグとロゴを変えたもう一つの理由です。ご了承ください。 ネックはメイプルとブビンガで、ボディはパープルハートで、トップとバックにフレイム・スポルテッド・メイプルを用いています。 アクセントとしてメイプルと同じくパープルハートをラミネートしています。 指板はインディアン・ローズウッドです。 私たちのビジネスにおけるリレーションシップと友情に感謝しています。 私は貴社の50周年記念の目玉として私のベースが選ばれた事をとても光栄に思っています。 アナハイムでお会いしましょう。 敬具 マイク・トバイアス 新作の仕様については、材の指定等を一切行わなかった。また一切打ち合わせらしいものも行っていない。故にこの楽器は純粋に彼が作りたかったものそのものになった筈である。 もちろん自身の考えるトバイアス・ギターズへの想いも色濃く反映しているはずで、現在に蘇った新しいトバイアス・コンセプトへの期待に胸が躍った。 楽器が早く無事に届く事を祈りつつ、マイクへの心からの感謝の気持ちでいっぱいになった。自分は本当にビジネス・パートナーに恵まれた幸運な人間だと、写真を見ながら私は思った。 と同時にこの仕事を実現出来た会社を誇りに思った。#0190を発見してくれた社長をはじめ、貿易部の黒澤部長といった上級役員が自ら関わってくれたおかげで、進行は大変スムーズなものになったからである。おかげで会社の50周年を祝う素晴らしい楽器の完成にこぎ着くことが出来ました。 本当にありがとうございます。 2006年12月 ベースセンター 店長 千葉俊之 |
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