1979 TOBIAS STYLE-O 4st Bass #0190
この楽器は、オメガカットとコア材をウイングとしたスルーネック構造が特徴で、独自のナローネックとともにハイポジションでのプレイヤビリティが特に高い1本である。
ギターのラージ・ハムバッカーと同じサイズのバルトリーニ製ピックアップが、やはりギター的なロケーションに2つついている。スラップ奏法がポピュラーになって以降、この位置にピックアップをマウントするベースは少ない。邪魔になることと、ピックアップに弦があたるノイズが気になるからだ。しかし、バルトリーニ・ピックアップの特性により、ピックアップの真上をスラップしてもノイズは気にならない。演奏性さえ気にならなければ音色上は問題にならない。そして通常のネック・ポジションのピックアップより大幅にネックよりについたピックアップがもたらすトーンは、本当にディープで、暖かみがある。コア材のもつ、明るい音色のボディとの相乗効果で、他にはない優れたバランスと、リッチな音色を得ている。ブリッジ・ピックアップもネックにあわせた統一感のあるトーンで、両者を組み合わせても、単独で使用しても非常に魅力的だ。
TCTベースのカスタム・プリアンプは、おそらくその後のトバイアス・ベースとの関連性からの採用と思われる。クリックのある5、5、5、ポジションで既にミッドスクープ・トーンとなっている。この事が楽器を少しだけモダンな印象へと導いている。ピックアップとの相性をあわせ込んでいるせいか、ノイズの類は全く気にならない。本来のパッシブ的な、特性を得るには3、7、3ポジションとする必要がある。ちなみに全てのつまみを0、0、0、とすると音が出なくなる。オリジナルのスター・ギターズ社のブラス製ブリッジは、デザインこそ古さを感じさせるものの、相当に優秀だ。精度が高く、音が良い。またほんの少し磨いただけで当時の輝きを取り戻す程、仕上が良い。純度の高い製品であった。ボディはカッタウェイの先の位置が15フレット辺と、フェンダーと比較してハイポジション寄りにバランスする。よって一般的にはハイポジションの演奏性が高い反面、ナット位置が遠い印象となりがちだ。この楽器はその印象を回避する為にオメガカットとし、ストラップをつけた際のバランスをとっている。バック・コンターもそれにあわせた形状だ。故にナットが遠い印象は最小限にしかならない。フェンダーとは異なるものの非常に練られた設計となっている事が形状から伺い知れるものとなっている。立って弾いた際と座って弾いた際での印象の変わらなさ、という点においては、むしろこちらの方が優れている。普遍的な楽器の良さを追求されたこの楽器の美点は、時を経ても全く失われていないのだ。この楽器が12本目という事がマイク・トバイアスの非凡さの証明といっても良いだろう。





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