| A Tour of Zon Guitars |
ZON GUITARS のクラフトマンは、まるで新進気鋭の彫刻家のようです。彼らは、合成素材や高品質の木材を、匠の技を駆使してハンドクラフトの美しい作品を生み出します。まさにそれは、音楽を奏でるアート・ワークですので、あなたの視覚に聴覚に訴えかけてくるでしょう。3週間の製作行程の中で、数々のパーツたち(木材、不思議な形の合成素材、ワイヤー、各種ネジ、電子部品、等)が組み合わされ、丈夫で信頼のおける、ベース・デザインの最先端を行く楽器となります。
|
「素晴らしいベースを作ることに奇跡は不要です。」
「それは、たくさんのハードワークであったり、楽器製作をする上で常に献身的な姿勢でいる事、芸術性や工芸性を学び、経験することに他ならないのです。」ベーシスト / 弦楽器製作家のジョー・ゾン(Joseph Zon)は語ります。
1978年に弦楽器製作者、修理工としてスタートしたジョーが、ニューヨーク州、バッファローに自身の会社を持ったのは、その4年後の事でした。そして、1995年11月にジョーと仲間のクラフトマン達は、レッドウッド・シティ(カリフォルニア州)の、より設備の整った工房に移転。現在、ボルト・オン及びセット・ネック・スタイルの4〜10弦までのベースを製作しています。全てのZONベースは、ハイテク要素と伝統的木工との融合で成り立っており、シンプルなボルト・オンの4弦であれ、装飾に彩られた6弦であれ、殆どの工程がハンドメイドで、“経験”“専門知識”に裏打ちされた、“細心の気配り”をもって製作されています。それとたくさんの力仕事も。
|
 |
ZONベースのラインナップの中でSonusシリーズの4〜6弦ベースは、それぞれボルト・オンのコンポジット・ネック、サテン・フィニッシュされたツーピースのアッシュ・ボディが特徴です。Legacy Elite はセット・ネックが特徴で、まるでスルー・ネックの様なフィーリングです。また同シリーズでは、ブックマッチした美しいトップ材や、専用のアクティブサーキット基板、特別にカスタムワウウンドされたP.U.、といった最高級にふさわしい優れた特徴を持っています。
そしておそらくZON社で最も普通でない創造物は、Michael Manring Hyperbassでしょう。とても深いカッタウェイと、ユニークな形状の3オクターブ・ネックを持つこのベースは、10,000種のチューニングの組合せが可能です。−今日のベース・ソロ・スタイルの第一人者、マイケル・マンリング氏とのコラボレーションより生まれました。その他のZONを使っている有名なベーシストには、Faith No More's のビリー・グールド、Tonight Show Bandのロバート・ハースト、Vital Informationのジェフ・アンドリューズ(訳注: 現在バーロン・ブラウン)、ジョン・ギブリン(イギリスのトップ・スタジオ・プレーヤー)、L.A.スタジオミュージシャン・ダグ・ランなどがいます。
ZONのベースは全商品、たとえシンプルなボルト・オンの4弦であれ、豪華な装飾に彩られた6弦であれ、ほぼ全工程がハンドメイドです。そしてそれは経験と専門的知識、細心の技能の融合といえましょう。
「最高の楽器を造るには、あらゆる部分の品質の向上と、その先にある革新に対し存在する、確かな責務を果たす事が要求されます。私たちはそのような信念のもとで働いています。」とジョー・ゾンは語ります。
もちろん、あらゆるZONベースは、最初は生地の木材です。
|
フルサイズのボディ幅を得るのに十分な大きさの板を入手する事は難しいので、芯材は通常2ピースから成ります。
別々の板からペアを組む事はせず、ZONでは同じ厚板を半分にカットします。こうすることで板の可能な限りの整合性を確保しています。
「縮み具合、木目の密度−いずれも、木のサウンドに影響します。」と、ジョー・ゾンは言います。
「私たちは可能なかぎり左右対称なボディを得たいと考えています。左右で材の密度に差のあるものは望ましくありません。目指しているのは、まるで1つの固まりのように作ることで、それが理想です。」
|
 |
ある程度のサイズにカットされた後に、ポプラまたはアッシュのハーフサイズのボディは、機械で設計どうりの厚さ、サイズに削ります。ナチュラル・フィニッシュでエキゾチックなトップを貼るベースの場合、ハーフサイズのボディは、1-1/2インチの厚さまで削ります。そしてブビンガやウォルナット、といったハードウッドの薄板をボディ材の上に合わせてみます。2枚のピースはそれから接着されて、その後、接着剤が十分に硬化するまで2日間一緒にプレスで締めつけられます。
|
ボディ・シェイプのパターンを、新しく加わえられたボディの表面に線を引きます。このトレーシングは、ボディのラフ・カットの為のガイドになります。一旦カットしてしまうと、木材の湿度含有量が最終の切削加工過の前に安定するように、ボディは立たせて置いておかねばなりません。
この工程で、ボディは薄く削りだされ、表面、背面、ともになめらかな平行に加工して、究極のボディ寸法になります。
|
 |
もちろん、これで終わりではありません。ボディにジグ穴を開け、ボディは切削加工のためにパターンの上へセットします。ピン・ルータは、パターンに沿って、ベースの完成形に近いラインに、ラフなエッジがカットされます。この過程でボディは、エッジはとてもなめらかになります。この後、ネック・スロット、ピックアップ・スロット、サーキット用のルーティングを行います。
|
最終の形状に大分近くなってきたといえますが、ボディーの輪郭はまだ完全ではありません。次のステップは、ピン・ルータを使ってボディの外周部の面取りです。最後に、バンド・ソーを使って整形し、大きなサンダーで平滑にされます。
基本的なカッティング、形成は機械ですが、残りは、手作業で行います。木の細孔を目立たなくするために、材表面に150番の紙やすりを軽くかけ、ペースト状の目止めを塗ります。(楽器を仕上げる際、鏡面仕上げにするためには、重要なステップです。)一昼夜乾かした後、余分な目止めは紙やすりで取り除きます。そして、ボディをフィニッシング・エリアへ送ります。ボディがこれらの工程を経る間、ネックも同様に準備されています。
|
 |
モールダー/かんな盤で、指板のR出しをします。その後Rを出した指板にフレット溝を掘ります。そして側面はサイド・ドットのために穴を開けます。それから、糸巻き取付け用の穴を開けます。
指板をきちんと接着すると、ネックはクランプで固定され、手で形成しています。ジョー・ゾンの主張は以下の通りです。「手でネックを形成することは、自然で、快適なフィーリング得る事の出来る、私の信じる唯一の方法で、これをするのとしないのでは、結果が全く違うのです。」
一旦シェイピングが仕上がると、ネックをもう一つの器具にセットし、紙やすりでを巻いたブロックでその指板を平らにします。それから、くまなくチェックします。フレットを打つ前に指板を確実に真直ぐにしなければなりません。ジョー・ゾンは、きちんとフレットを接着することは力学的にも優れたものになると信じています。そしてそのサウンドは、より力強いものになる筈です。
「私たちは、ただフレットを圧着するだけでなく、エポキシ系の接着剤でフレットを接着しています。なぜならそれはフレットが浮きにくくなるだけでなく、指板やネックと、より一体化させるのに役立つからです。フレットが圧着されただけのネックと、フレットが圧着に加えて接着されたネックとでは、サウンドに明らかな違いがあり、後者の方が音色はより良くなります。」
|
接着剤の硬化の後、フレット・サイドは、削り取られて、完全になめらかなフィーリングを得るために手で整えられます。
そして、もう一度点検して、ネックは完成です。
|
 |
JOINING THE NECK AND BODY
ZON 社では、ボルト・オンとセット・ネック、という2種類のベースを造るので、それぞれ別のアセンブリー、フィニッシュ手順があります。ボルト・オン仕様の場合、ボディ、ネックは、まず塗装、仕上げ工程に行きます。セット・ネック・ベースの場合は、コンポジット素材と木材を結合させるために、まず特別規格の協力なエポキシ樹脂系の接着剤を使って、ネックとボディを接合します。高い精度がここでは最も肝心です。うまくいったなら、エポキシ系接着剤を使った接合は、確実にネックとボディをつなぎます。仮に外すとしたら、楽器を破壊するしかないでしょう。
したがって、一旦ネック、ボディを接合してしまえば、これらは本質的に一つの部分といってよいでしょう。
セットネックのベースの大きな特徴は、その深いダブテイルです。それはより多くの表面積でネック、ボディを結合するためのもので、それによりトーンも向上し、構造上の強度も増します。一旦ネックがきちんと接着されると、ネックのヒール部分を手加工で形成します。最終的にはスルーネックのようなルック&フィールとなります。実際、ZONベースは、たびたびスルーネックと間違えられる事も多いのです。
「私は、スルーネックのデザインもあれこれと実験しました。」、ジョー・ゾンは言います。「結果、コンポジット・ネックを楽器のボディ・エンドまで延ばすと、サウンドに面白みがなくなってしまう事が解りました。」
「ネックとボディを接着することによって、サウンドの中での木材の占める割合がより増えるので、トーンは向上するのです。暖かさが増し、より木材の個性を引出します。」
|
FINISHING
次に、楽器は全て、紙やすりで磨かれます。前回までの工程ではついた印等は、手作業で削除します。絶え間ないチェック、再チェックを繰り返すことで、表面に引っ掻き傷や不備のない、あらゆる輪郭がなめらかで、快適なものにするために、これから完成までの工程は、すべて手作業となっています。
|
 |
弦楽器製作者による最終点検の後、ベースはそれからペイント・ルームに送られます。 そこで、他のネック、ボディとともに一組 ずつ クリアで濃い、下塗りを行います。トランスペアレント・カラーのベースなら、ボディにまず着色するのですが、染料が下地にしみ込む事で色合いに素晴らしい深みを与えます。
下塗りが乾いたあと、全ての個所に紙やすりをかけ、完全になめらかになるまで磨かれます。ナチュラル・ウッド・トップのLegacyベースの場合、プラスチックで出来たマスキング・プレートを、トップが黒くスプレーされるのを避けるため、表板の上面にテープで取付けます。テープ、または紙だけで、マスキングするよりも、プレートを使うことで時間の無駄を省いています。そして全面を黒くスプレーします。(訳注:現在Legacyベースのボディ・バックはナチュラル塗装が標準となっています。)
|
フィニッシュの乾燥後、ジョー・ゾンにより全てのラインがうまく仕上がったかを確認され、全ての塗装の状態が完全であるかを検品されます。それから、全てのベースは、クリアーのトップ・コーティングが施されます。クリアーのトップ・コーティングが乾いたあと、再び、塗装面の全てを平滑にするために220番の紙やすりで磨かれます。目の粗いものから順番に、様々な方向にやすりをかけ、最終的には1200番の紙やすりで水磨ぎされます。そしてバフがけです。
|
 |
たとえ大型の電動ツールを用い、熟練の技をもって忍耐強く行ったとしても、仕上がりまで約2時間はかかります。この過程はスタミナを必要とする大変きつい仕事です。目の粗いものから始めて、弦楽器製作者は、ベースの表面の細かい傷や、うねりを取り除いていきます。そして目を段々細かくしていきます。そして、最も目の細かい段階までになると、ベースは絹のように艶やかな光沢を持つ様になりますが、これでもまだ最終工程ではありません。
|
最後のステップは、一点の曇りもない、深い光沢のある、鏡の面の様になるまで続けるのです。
「それは長いプロセスなのですが…。」 ジョー・ゾンは強調します。「フィニッシュにおいては、サンディングやバフがけの善し悪しが全てを左右するので、我々はこの工程をとってもまじめにやることにしているのです。それは、非常に忍耐強くなければならなくて、ほとんど彫塑、描画と同様の細心の注意をもって行わなければなりません。」
|
 |
FINAL ASSEMBLY
全てのフィニッシュ・ワークが済むと、最終組込工程の前にもう一度点検を行い、その後に、ピックアップ、回路基板、ブリッジ、ペグを取り付けます。ZONのピックアップのマウント方法は大変ユニークです。各ピックアップの四角の下にネジが挿入されます。その内、対角に位置する2本のネジで、ピックアップを支え、残りの2本が、サポートするので、しっかりとマウントすることが出来ます。この方法では、スプリングを使わないので、ピックアップは決してガラガラと共鳴しません。
それぞれのあるべき位置にある全ての部品がそれぞれきちんと機能するか否かを点検します。ナットに溝を入れて、フレットは平滑にされ、エッジを整えられます。楽器は弦を張られ、それから、弦高やオクターブ、といったイントネーションを調整されます。そのようにチューニングをして正しくプレイ出来るように、セットアップされます。フレット・ノイズまたは他のおかしなところがないかを検品するためにプレイしてみます。
「理想的には、楽器店が些細なセットアップも、し直す必要がないような楽器でありたいと思います。」と、ジョー・ゾンは言います。
「それには、ケースから取り出した時点で、ピッチや、その他いろいろな部分が、完全でなければなりません。」
最終的な検品は、指紋、ちり、その他をチェックすることも含みます。
豪華なラインが入った、肌触りの良い特別にデザインされた、ハードシェルケースに納めます。特注のカートンで梱包をし、そして注文を受けた世界中へ、叩いたり、かき鳴らされたり、弾かれる為に…送り出されるのです。 |